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PB先進企業・靴のABCマート、驚異の戦略〜ブランド単体と小売、2つの顔で相乗効果

2013年9月22日日曜日

 金融機関や外資系コンサル、全国展開する小売チェーン(再生担当取締役)を経て、現在は幅広い業界企業に対する事業戦略立案、R&D戦略等による企業価値向上支援などを手がけるストラテジクスパートナーズ代表取締役を務める山田政弘氏。そんな山田氏が、話題のビジネス/業界トレンドや経済ニュースを、豊富な知識と"現場での経験"を踏まえ、わかりやすく解説します。●大手小売企業各社は付加価値型プライベートブランド開発に注力するも、すでに時代遅れ?

『セブン&アイ、「金の食パン」を刷新 食感や香り高く』(9月13日付日本経済新聞)『セブン&アイ、好調「金の食パン」を刷新』(9月11日付同紙)
『イオン、高級PB 5割増 食品・衣料、消費二極化に対応』(8月17日付同紙)
『セブンとサントリーがタッグを組むPBプレミアムビール』(7月31日付同紙)

 ここ最近、セブン&アイ・ホールディングス、イオングループの2大小売グループのプライベートブランド(以下、PB)に関連するニュースが、幾度も新聞紙面に取り上げられている。

「小売各社がPBに注力するという話題は、何も今に始まったことではないので、別段目新しくない」と思う読者もいるかもしれない。しかし、今回取り上げられているPBは、これまで小売各社が注力してきた「より安く」という価格訴求のPBではない。いずれも高付加価値を追求した商品というのが、従来と大きく異なるポイントだ。

 セブン-イレブンが開発し、今年4月16日に発売したPB食パン「セブンゴールド 金の食パン」は、1斤6枚入が250円。セブン-イレブン店舗で売れ筋トップの「超熟」(6枚入り/敷島製パン)と比べても6割高いが、発売から15日間で65万個を突破するなど絶好調。セブン-イレブンにおける「食パン分類」の売上金額も、「金の食パン」発売前対比で約1.5倍に拡大したほどだ。

 イオンでは「トップバリュセレクト」や「トップバリュプレミアム」が付加価値型PBに当たり、各社がここに来て、安さ一辺倒だけではない多様なPBの方針、戦略を打ち出している。

 さすがPB商品の開発、定着化に貢献してきたセブン-イレブン、イオンと思うかもしれないが、実はこの2社とてPB戦略の潮流から見れば、すでに時代遅れなのである。

●PB戦略で日本最先端は、靴の小売企業

 では、PB戦略で日本最先端の取り組みをしている小売企業はどこか、ご存じだろうか?

 セブン-イレブン、イオングループ以外の他のGMS(General Merchandise Store:総合スーパー)だろうか? はたまた、アパレル業界におけるセレクトショップの雄ユナイテッドアローズ?

 答えはいずれもノー。

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