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イギリスのISAで重要な役割を果たす 「ファンド・プラットフォーム」とは?

2013年9月13日金曜日

前回は、英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)利用者がどのように制度を利用しているのかを取り上げました。今回は利用者がどんなチャネルを通して、投資信託を購入しているのかをみていきましょう。

●第1回 来年1月にスタートする日本版ISA 英国の事情はどうなっているの?
●第2回 「なぜISAを使っているんですか?」英国の利用者に聞いてみた
●第3回 ISAの本場、英国ではどんな金融商品が人気なのか?

日本にはないファンド・プラットフォーム

 日本の場合、投資信託を購入する先は証券会社や銀行という人が大半だ。一方、英国のISAでは、投信を購入する際に「ファンド・プラットフォーム」が大きな役割を担っている。

 ファンド・プラットフォームはインターネット上で金融情報サービスを提供するとともに、投信(もちろんISAの投信も含まれる)のほか、個人年金などを取り扱っている。少々イメージしにくいかもしれないが、さまざまな運用会社が運用する数千の投信を幅広く取り扱うスーパーマーケットのようなものだ。

 下のグラフは英国の投資信託のチャネル別の販売額だ(出所、英国投資信託協会)。2013年5月現在、英国籍投信の販売額約113億ポンドのうち、ファンド・プラットフォーム経由が約56億ポンドと約50%を占めている。そのほか、直販が約9億ポンド(8%)、IFA(独立系金融アドバイザー)など他の仲介人経由が約47億ポンド(42%)となっている。

 これは投資信託全体のデータだが、ISAファンドの販売チャネルでみると、ファンド・プラットフォーム経由は68%にもなる。ISAにおいてファンド・プラットフォームは最大の販売チャネルとなっているのだ。

 プラットフォームは90年代後半からスタートし、ここ数年で急速に増えている。2013年2月に英国を訪れた際には「35社まで増えている」(インベスコ)のだとか。

 このうち、Hargreaves Lansdown(ハーグリーブス・ランズタウン)、Cofunds(コファンズ)、 Fidelity Funds Network(フィデリティ・ファンズネットワーク)、 Skandia(スカンジア)、 Transact(トランザクト)が大手5社。たとえば、フィデリティは日本では運用会社のイメージが強いが、英国ではFunds Networkというプラットフォームビジネスを手掛けている。

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