安倍晋三首相とカナダのハーパー首相が24日の首脳会談で、シェールガスの対日輸出に向けた協力で合意した。今後、カナダ国内のパイプラインの敷設促進などの具体策を閣僚レベルで協議する。輸出は早ければ2019年から始まり、輸入量は最大で日本の年間輸入(約8700万トン)の1割に当たる800万〜900万トンとなる見通しだ。東日本大震災後、日本の液化天然ガス(LNG)需要は急増しており、政府は調達先の拡大で輸入価格の引き下げにつなげる考えだ。【大久保渉、大久保陽一】
カナダで日本企業が関与するシェールガス事業は、石油資源開発や三菱商事などが外資系資源会社などと組んで進める4件がある。計画通り進めば年間生産量は計約4000万トンとなり、2割程度が日本に振り向けられる見通しだ。
米政府は今年2件の日本向け輸出を認可しており、17年以降最大で年約670万トンのLNGが日本に輸出される予定。
カナダからの調達が実現すれば、石油価格に連動して高止まりしているカタール産LNGなどの価格交渉を有利に進めるカードにもなりそうだ。
カナダからの輸入は、パナマ運河を経由する米国産に比べ短距離で運ぶことが可能。輸送費を抑えることで割安な米国産シェールガス(100万BTU=英国熱量単位=当たり10〜11ドル)から更に1〜2ドル程度安く調達でき、同約17ドルのカタール産LNGの半分程度のコストになる可能性もある。
カナダにとっても、日本への輸出が軌道に乗れば安価な米国産シェールガスに押されてだぶついていた在来型天燃ガスの輸出増が期待できる。輸入先の拡大を目指す日本と思惑が一致した格好だ。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之上席エコノミストは「今回の合意が日本市場に与えるインパクトは大きい。天然ガス供給源の多様化につながるのは確実」と評価。現在の天然ガス供給国であるインドネシアやマレーシアなどに対しても、「日本は『他の供給国がある』と主張できるため、交渉でもプラスに働くだろう」と語った。
カナダで日本企業が関与するシェールガス事業は、石油資源開発や三菱商事などが外資系資源会社などと組んで進める4件がある。計画通り進めば年間生産量は計約4000万トンとなり、2割程度が日本に振り向けられる見通しだ。
米政府は今年2件の日本向け輸出を認可しており、17年以降最大で年約670万トンのLNGが日本に輸出される予定。
カナダからの調達が実現すれば、石油価格に連動して高止まりしているカタール産LNGなどの価格交渉を有利に進めるカードにもなりそうだ。
カナダからの輸入は、パナマ運河を経由する米国産に比べ短距離で運ぶことが可能。輸送費を抑えることで割安な米国産シェールガス(100万BTU=英国熱量単位=当たり10〜11ドル)から更に1〜2ドル程度安く調達でき、同約17ドルのカタール産LNGの半分程度のコストになる可能性もある。
カナダにとっても、日本への輸出が軌道に乗れば安価な米国産シェールガスに押されてだぶついていた在来型天燃ガスの輸出増が期待できる。輸入先の拡大を目指す日本と思惑が一致した格好だ。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之上席エコノミストは「今回の合意が日本市場に与えるインパクトは大きい。天然ガス供給源の多様化につながるのは確実」と評価。現在の天然ガス供給国であるインドネシアやマレーシアなどに対しても、「日本は『他の供給国がある』と主張できるため、交渉でもプラスに働くだろう」と語った。
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