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タンスに眠る「着物」を無料で回収し、 ネットで海外のファンに売るビジネスが拡大中

2013年9月13日金曜日

タンスに眠る着物は8億枚!

 国内では、推定で約8億枚もの着物がタンスで眠っていると言われている。こうした着物や付随する反物・帯などの伝統商品を持ち主から無料で譲り受け、海外の愛好家に低価格で販売するネット通販サービス「FURICLE(フリクル)」が9月2日にスタートした。

 運営会社は、WEBマーケティング会社のソウ(SOU)。代表の八木創平氏は、京都の西陣織工房で生まれ育った背景から、日本の伝統文化に深い思い入れがあり、フェイスブック上で外国人を対象とした着物コミュニティを運営していた。そこで、外国人着物愛好家の熱い需要を知る。

「写真をアップするとすぐにリアクションがある。「着物のモデルになるのが夢」「どうしたら手に入れられるか教えてくれ」といったコメントがどんどん入るんです」と八木氏。こうした経験のもと、着物を愛好する外国人に国内で眠る着物を届けるビジネスプランを構想したと言う。

 そして、ビジネスプランを検証するため2013年4月に行われた起業イベント『Startup Weekend Osaka』に出場。世界150ヵ国で開催され、優れたビジネスプランを選ぶ同イベントで見事優勝を勝ち取り、確かな自信を得て今回のスタートに至った。

 実は、着物の海外向け通販サイトはすでに存在する。それらと差別化するうえで、フリクルでは他にはないサービスを提唱している。それは、単に商品を販売するだけではなく、文化交流の場を提供するということ。

着物にまつわる思い出などの
メッセージもサイトに掲載

「国内の所有者から着物にまつわる思い出などのメッセージを英語でサイトに掲載し、購入者からは実際に着た写真などを提供者に送ってもらい、文化交流に一役買うことができれば」と八木氏。

 さらに、インターネット通話やビデオ通話、チャットなどを活用して外国人顧客と直接コミュニケーションを図り、写真だけでは必ずしも伝わらない商品の情報を正確に伝えることで信頼関係の構築を目指している。

 商品を市場に投入する前に、見込客のコミュニティをつくり、ニーズや生の声を聞きながらコミュニケーションを図る。まさにSNS時代の起業スタイルと言えよう。

 今後も「お客様の声を吸い上げながら着物の生地を活用した商品開発にも取り組んでいきたい」と語る八木氏。3年後には10万ユーザー、年商3億円を目指す。

(加藤 力/5時から作家塾(R)))

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