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なぜM&Aのプロは日本だけでなく シンガポールでも活躍しているのか?(2)

2013年9月11日水曜日

 前回に引き続いて、シンガポールでM&Aアドバイザーとして活躍している伏田さんについて紹介します。同業他社のM&A案件が一番多い

 シンガポールを中心に、東南アジアで幅広くM&Aを行っていきたいと考えているビジネスオーナーは多いと前回紹介しましたが、具体的にどのような案件が多いのでしょうか。

 一部の大手企業を除けば、創業オーナー系企業の多くは東南アジアを製造拠点として位置付けています。ただ、製造拠点の機能しかなければ、人件費が高騰するなどコストが上昇する度により安い場所に移転を繰り返さなければなりません。

 そこで、ローカル市場への営業機能や周辺地域への物流機能などを強化して、コスト上昇を付加価値の向上でカバーしたいというニーズが出てきているのですが、そうなるとこれらの機能を統括する経営人材を東南アジアに置く必要性が高まります。

 ただ、売上が数百億円クラスの創業オーナー系企業の多くは、そして売上数千億円クラスの創業オーナー系企業でも一定程度は、ゼロベースで海外事業を立ち上げた経験に乏しく、海外で問題なく活躍できる人材だけでチームを新たに作ることも困難です。こうした背景から、東南アジアにおける高付加価値機能をいち早く立ち上げるために、シンガポールにある同業他社を買収したいというリクエストが最も多くなっています。

 案件サイズは十数億円から百億円超の案件と様々ですが、多くのケースは数十億円とそれほど大きくはないとのことです。しかしながら、「シンガポールでの事業統括機能がきちんとパフォームすると、東南アジア全域での事業の成功確率もあがり、ゆくゆくは東南アジア各地でより大きなM&Aを手掛けるチャンスも増えていくだろう」と伏田さんは考えています。

シンガポールにおける日本人専門家ネットワーク

 弊社のお客様には、売上数百~数千億円クラスの創業オーナーが10名ほど居られるのですが、こうした方々の過半がシンガポール移住とビジネスのシンガポール進出を検討しています。

 シンガポール進出の重要な目的の1つとして、東南アジア全域のM&A案件の発掘をほとんどの方があげているので、伏田さんとコラボしながらサポートしていきたいと考えています。ビジネスの場としても、「多様なバックグラウンドの人材が集まり、シナジーをできる限り大きくしようと建設的にビジネスが進行するシンガポールは居心地がいい」と伏田さんは話しています。

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