東京エレクトロンは「産業のコメ」とも呼ばれる半導体の製造装置を供給してきた日本を代表するエレクトロニクス企業だ。半導体製造装置世界3位で国内電機産業のいわば心臓部を担ってきた同社が、世界1位の米アプライドマテリアルズとの三角合併による経営統合を選択したことは、半導体関連産業の厳しさを物語る。国境を超えた大規模統合の波紋は、製造業全体に広がりそうだ。
24日夜に緊急の記者会見を開いた東京エレの東哲郎会長兼社長は「昨年12月に打診があり話し合いを進めてきた。半導体の開発費用は膨大で、統合によるコスト削減が期待できる」と強調。同席したアプライドのゲーリー・ディッカーソン最高経営責任者(CEO)も「統合でより良いサプライチェーンを提供でき、コスト削減も進む」と述べた。
両社が経営統合を急いだ背景には、変動の激しい半導体市場で生き残るには市場占有率を高め、経営体力を維持しなければならない事情がある。エルピーダメモリが米半導体大手の傘下に入るなど、国内半導体大手は相次ぎ市場から脱落した。東京エレも2013年3月期の連結売上高が前期比2割以上減少するなど、業績が伸び悩んでいた。
より小さなチップに多くの情報を書き込むため、半導体は年々、微細化が進み、その製造装置の開発費用も高騰。両社は経営統合により、技術開発面でも競合他社を圧倒することになり、市場では「世界トップクラス同士の経営統合は前向きな動き」(半導体アナリスト)と、歓迎の声が上がる。
ただ、産業界の反応は複雑だ。東京エレの東氏は「対等合併だ」と強調したものの、事業規模で上回るアプライド側が持ち株会社株の68%を握るなど、東京エレ側が主導権を奪われかねない内容となっている。海外では「アプライドによる東京エレクトロンの事実上の買収」(米紙ウォールストリート・ジャーナル・電子版)などの報道もある。
東氏は会見で、経営統合後も国内生産拠点の廃止や人員削減など日本での事業縮小は検討していないと強調した。同社の半導体製造装置の売上高の約8割が既に海外向けになっているものの、半導体製造装置はメーカーと東京エレが共同開発して技術革新をしてきた歴史があるだけに、産業界からは「技術の海外流出を含め、どんな影響があるのか推移を見守りたい」(大手電機)との声も出ている。【横山三加子、松倉佑輔、ワシントン平地修】
24日夜に緊急の記者会見を開いた東京エレの東哲郎会長兼社長は「昨年12月に打診があり話し合いを進めてきた。半導体の開発費用は膨大で、統合によるコスト削減が期待できる」と強調。同席したアプライドのゲーリー・ディッカーソン最高経営責任者(CEO)も「統合でより良いサプライチェーンを提供でき、コスト削減も進む」と述べた。
両社が経営統合を急いだ背景には、変動の激しい半導体市場で生き残るには市場占有率を高め、経営体力を維持しなければならない事情がある。エルピーダメモリが米半導体大手の傘下に入るなど、国内半導体大手は相次ぎ市場から脱落した。東京エレも2013年3月期の連結売上高が前期比2割以上減少するなど、業績が伸び悩んでいた。
より小さなチップに多くの情報を書き込むため、半導体は年々、微細化が進み、その製造装置の開発費用も高騰。両社は経営統合により、技術開発面でも競合他社を圧倒することになり、市場では「世界トップクラス同士の経営統合は前向きな動き」(半導体アナリスト)と、歓迎の声が上がる。
ただ、産業界の反応は複雑だ。東京エレの東氏は「対等合併だ」と強調したものの、事業規模で上回るアプライド側が持ち株会社株の68%を握るなど、東京エレ側が主導権を奪われかねない内容となっている。海外では「アプライドによる東京エレクトロンの事実上の買収」(米紙ウォールストリート・ジャーナル・電子版)などの報道もある。
東氏は会見で、経営統合後も国内生産拠点の廃止や人員削減など日本での事業縮小は検討していないと強調した。同社の半導体製造装置の売上高の約8割が既に海外向けになっているものの、半導体製造装置はメーカーと東京エレが共同開発して技術革新をしてきた歴史があるだけに、産業界からは「技術の海外流出を含め、どんな影響があるのか推移を見守りたい」(大手電機)との声も出ている。【横山三加子、松倉佑輔、ワシントン平地修】
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