ページ

なぜ半沢直樹に出向が言い渡されたのか?中野渡の決断の真意とは? ――メンタリストDaiGoが読み解く『半沢直樹』ヒットの秘密(5)

2013年9月23日月曜日

実は、中野渡こそが
本物のメンタリストだった!?

 ついに最終回を迎えた『半沢直樹』。ラスト、中野渡の決断に、「なんで!」とツッコミを入れたビジネスパーソンも多かったのではないでしょうか。しかし私はこの決断を見た瞬間、メンタリストという立場から「なるほど!」というツッコミを入れたくなりました。

 彼の「許し」には、人を取り込んで組織を動かすという心理学的な極意がうかがえます。敵を徹底的に叩き、切り捨てることは誰にでもできます。しかし叩きのめされた敵はその恨みを心にため込んで増幅し、もしかしたらそれが復讐という形になって自分に向かってくるかもしれません。

 しかし、自分の敵ともいえる人物を、味方に取り込めたら、その敵の手腕が脅威になるほど高ければ高いほど、そのメリットは絶大です。だから、中野渡は大和田を切り捨てないという決断を下したのです。まさにその決断こそ、「メンタリズム」なのです。

トップに立つ人だけが持つ
人を動かす「決断」の極意

 私たちメンタリストが集団を相手にパフォーマンスを行う際は、必ずその集団の中で「もっとも疑り深い人」に対してアプローチし、まずその人を信用させることからはじめます。すると周囲は、「あれだけ疑り深い人が信用したのだから間違いない」と考え、その集団は一気に、メンタリストの味方になってしまうのです。

 そこにはどんな「心理戦略」が働いているのでしょうか。

 この心理戦略は、大衆煽動の基本テクニックです。煽動とはつまり、少数派の人々が巧みな演説や論説を使い、群集心理を操り、大勢の人たちを自分たちの都合のいい状態に導くことです。

 自分の部課やプロジェクトチームなどの組織、コミュニティでは、組織に敵になりそうな人や集団や組織内の反抗勢力を見つけた場合、どうやって排除するかを考えるのではなく、どうすれば取り込めるかを考える。これこそが、「組織をもっとも大切なもの(その是非はともかく)」と考えたうで、その主導権を握り、動かしていく決断の極意なのです。

 中野渡の決断こそ、この「組織のトップに君臨する者」が持つビジネスメンタリズムだと言えるでしょう。

もう迷わない、もう後悔しない!
「優柔不断」から卒業できる簡単な方法

 できるビジネスパーソンは決断が早いと言われます。私が普段お会いする企業のトップの方々も、まさに「即決」です。

 では、どうすれば後悔せず、迷うことなく決断することができるのか。

0 件のコメント:

コメントを投稿

 

人気の投稿