財務省が19日発表した8月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9603億円の赤字だった。貿易赤字は14カ月連続で、比較可能な1979年以降では第2次石油危機の原油高が響いた79年7月から80年8月までの過去最長期間に並んだ。金額も、8月としては過去最大となった。燃料である原油の輸入額が円安の影響で膨らんでいることなどが要因。一方で足元では輸出の回復も確認された。
輸出額は前年同月比14.7%増の5兆7837億円。米国向けの自動車や中国向けのペットボトルなどの原料になる有機化合物などが増えた。
輸入額は前年同月比16.0%増の6兆7440億円。カタールやロシアからの原油、中国からの太陽光発電用の部品、衣類などが増えた。8月の為替レートの平均値は1ドル=98.44円。前年同月比25.4%の円安となり、輸入額が膨らんだ要因となった。
国、地域別でみると、対米国では自動車や自動車部品の輸出が堅調なことなどから前年同月比で8カ月連続での黒字幅拡大。一方で、対中国では衣類や電子部品などの輸入が増えて18カ月連続の赤字となった。
30年以上を経て再び14カ月連続の貿易赤字を記録した背景には、国内の原子力発電所の稼働停止に伴う燃料の輸入増がある。また、企業の海外進出加速に伴い、国内で生産して輸出する形から海外で生産した製品を海外で販売する形へと経済構造が変化したことも影響している。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「燃料輸入の高止まりが当面続くとみられるため、輸出増で貿易赤字を解消するには時間がかかるだろう」と指摘している。【田口雅士】
輸出額は前年同月比14.7%増の5兆7837億円。米国向けの自動車や中国向けのペットボトルなどの原料になる有機化合物などが増えた。
輸入額は前年同月比16.0%増の6兆7440億円。カタールやロシアからの原油、中国からの太陽光発電用の部品、衣類などが増えた。8月の為替レートの平均値は1ドル=98.44円。前年同月比25.4%の円安となり、輸入額が膨らんだ要因となった。
国、地域別でみると、対米国では自動車や自動車部品の輸出が堅調なことなどから前年同月比で8カ月連続での黒字幅拡大。一方で、対中国では衣類や電子部品などの輸入が増えて18カ月連続の赤字となった。
30年以上を経て再び14カ月連続の貿易赤字を記録した背景には、国内の原子力発電所の稼働停止に伴う燃料の輸入増がある。また、企業の海外進出加速に伴い、国内で生産して輸出する形から海外で生産した製品を海外で販売する形へと経済構造が変化したことも影響している。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「燃料輸入の高止まりが当面続くとみられるため、輸出増で貿易赤字を解消するには時間がかかるだろう」と指摘している。【田口雅士】
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