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虎ノ門ヒルズがオープンで 高まる地価の上昇機運

2014年6月17日火曜日

「世界一の都市を目指す東京の新たなランドマークの誕生をお祝いしたい」。

 安倍晋三首相は、にこやかな表情を浮かべてこう語り、森ビルの辻慎吾社長や、東京都の舛添要一知事と固い握手を交わした。

 6月11日、都心と湾岸を結ぶ幹線道路の環状2号線と一体で、総事業費2340億円をかけて森ビルが開発した「虎ノ門ヒルズ」が開業した。

 地上52階建て、高さ247メートルの超高層ビルは、都内2番目の高さでまさにランドマークだ。オフィスやマンション、国際会議場などが入る複合施設で、47~52階には高級ホテル「アンダーズ東京」が入居する。オフィス階には、すでに20社程度が入居、ほぼ満室での稼働となった。

 森ビルの辻社長は、「虎ノ門ヒルズを起爆剤に、五輪やさらにその先へ向けて都心の再開発を加速する」と語り、1兆円を投じて「今後10年間で周辺の港区に超高層ビルを10ヵ所程度建てる」とぶち上げた。

 これまで虎ノ門エリアは、低層階のビルが密集し、他のオフィス街と比べて再開発が遅れていた。しかし、虎ノ門ヒルズの開業が号砲となり、街の様子は一変する。

 まず、政財界の関係者が利用することで有名だったホテル「虎ノ門パストラル」跡地には、オフィスや住宅が入居する複合高層ビルが建設される予定だ。

 虎の門病院も、近隣の国立印刷局や共同通信会館ビルなどと一体で再開発、新たな病院と高層オフィスビルに生まれ変わる。この病院は、「オリンピック病院」として位置付けられ、五輪開催中には選手らの治療に当たるという。

 前回の東京五輪の開催前に建てられた「ホテルオークラ東京」も建て替えが決まっている。本館を一時的に閉鎖し、ホテルとオフィスが入る高層ビル2棟を建設、19年春の開業を目指すという。

 さらに追い風も吹く。東京都が3月末に発表した「国際戦略特区」の提案書で、「国際標準のビジネス空間づくりプロジェクト」として虎ノ門エリアが俎上に載せられたからだ。

 この中で、東京メトロ日比谷線の霞ヶ関駅と神谷町駅との間に新駅を整備する計画が浮上。併せて都は、新橋から虎ノ門にかけて広い歩道を整備し、オープンカフェなどを設置してにぎわいの場とする「シャンゼリゼプロジェクト」なども進めており、エリアの活性化を後押しする。

国交省のレポートも"上昇"

 まさに建設ラッシュの様相を呈している虎ノ門エリアだが、地価の上昇機運も高まってきた。

 国土交通省が四半期に1度発表する「主要都市の高度利用地地価動向報告」、通称、地価LOOKレポート。

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