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<製麺機>うどん県から文化広める 米など累計200台出荷

2014年6月29日日曜日

 ◇土地に合わせ経営指導も

 「うどん県」香川の宇多津(うたづ)町に本社を置く製麺機メーカー「大和製作所」が1980年に開発した、うどん製麺機「真打 Shinuchi」が、米国や東南アジアなどでうどん文化を広めている。

 「真打」は、生地をこねる▽足踏みする▽延ばす▽切る−−の麺打ちに必要な機能を1台でこなす。本格的な海外販売は90年代半ばからだが、2010年から急激に売り上げが伸びた。米国では、1990年代以降、そばやラーメンがブームになったことがあり、うどんも受け入れられる下地があったという。

 同社は、海外の販売先に、うどん店経営の無料サポートも行う。現地で入手できる小麦粉を送ってもらい、日本で試作した上で、製麺の調整やメニューの助言を行うという徹底ぶり。うどんの製法やだしの取り方だけでなく、店のレイアウトから食文化の違いに合わせた土地ごとの経営ノウハウを提案する。例えば米国では会話を楽しみながら食事する人が多く、1杯食べるのに約1時間。1杯十数分の日本に比べ回転率が悪いため、客席数を多めにして高めの値段設定が必要という。米国やシンガポールでは月2回、「一日うどん学校」も開く。

 「真打」は1台約350万円と安くはないが、これまでに累計約200台(今年5月時点)を売り上げた。今は海外の売り上げが全体の2割だが、うどん文化を広げ3〜5年内に5割を目指すという。

 80年代、藤井薫社長(66)は仕事で初めて訪米した際、営業先でうどんを見た相手に「どんぶりの中に白い虫がはっているようにしか見えない」と言われたという。今では、欧米ではマナー違反と嫌われる「音をたててすする」客も米国では珍しくなくなった。藤井社長は「国内にしかない常設のうどん学校を海外にも作りたい」と、普及に張り切っている。【伊藤遥

 ◇米の人気は「クリーム」スープうどん

 大和製作所は、川崎重工で飛行機の設計をしていた元エンジニアの藤井社長が1975年に創業。うどん、そば、ラーメンの各製麺機や、これら3種と生パスタの4役を1台でこなす製麺機も開発した。同社の使命は「日本の麺文化を世界に広める」。ただ、人気のうどんスープは海外ではさまざま。台湾では1位「とんこつ」、2位「トマト」で「だし」は3位。米国では「クリーム」がトップという。

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