「三菱東京UFJ銀行が『偽装請負』で日立製作所から子会社を通じて労働者を派遣させている問題を告発し、金融庁が同行の違法行為を改めるよう監督の徹底を求めました。(中略)東京・大手町の三菱東京UFJ本店で偽装請負で働き、東京労働局に内部告発した日立子会社の女性の訴えをもとに『メガバンクの最先端の職場のフロア丸ごとが、偽装請負で成り立っている』と違法行為の一端を紹介しました。(中略)また、偽装請負を内部告発した女性が日立の子会社から解雇されたと指摘。日立や三菱東京UFJによる女性への報復を批判したうえで、不正を告発する労働者を守れるように公益通報者保護法の改正が必要だと強調しました」(3月27日付しんぶん赤旗より)
上記記事は、本事件の被害者である女性社員A氏が厚生労働省で開いた記者会見を受けて報じられたものだ。会見には数多くのメディアが参加したが、実際に報じたのは「週刊文春」(文藝春秋)と「しんぶん赤旗」などの一部メディアのみで、広く世間に知られてはいない。
今回、本事件において三菱東京UFJ銀行へ派遣され勤務し、本件を内部告発したA氏への取材などから、偽装請負が常態化している銀行の内情がみえてきた。
●コンサルティングとは名ばかりの下請け作業の実態本件における「派遣社員」というのは、事務アシスタント作業の派遣スタッフのことではなく、ITシステムの構築や保守などをプロジェクトで請け負う、高度な専門知識を有する人材のことである。A氏も、日立コンサルティング入社前は外資系大手IT企業でプロジェクトマネジャーを担当していた。
A氏は日立コンサルへの入社選考の時点から、同社に対して違和感を抱いていたという。複数回の面接があったが、コンサルティング会社でよく聞かれる「○○業界の現状における課題と、その解決策について」などの厳しい質問をされなかったからだ。
そして入社後判明したところによると、日立コンサルでは採用ノルマが存在しており、特段にスキルや能力を厳しく評価する採用を行っていなかった。そして実際の業務は「コンサルティング」とは名ばかりのIT実務の下請け作業が中心だったのである。…
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