今やGDPでは世界で10本の指に入るまでに成長したインド。華々しい経済成長の裏に、深刻な衛生問題があるのはご存じだろうか。この"トイレ問題"から子どもたちを救うべく、ユニセフが国際機関らしからぬポップな施策を展開している。
今から数年前のこと、欧米企業の幹部で中国支部を取り仕切る友人と、シンガポールでビールを飲み交わしていたら、彼が家族とインドを訪れた話になった。彼は妻と2人の子どもを連れてインド支部の幹部宅をバケーションで訪問していたという。
最も盛り上がったのはトイレの話だ。「一番困ったのはトイレ。インドはトイレがマジできつい。友人宅やそれなりのホテルならまだしも、どこかに外出してトイレに行きたくなったら悲劇だよ。あいつ(インド支部の幹部)は、建物のトイレには入っちゃいけないと言うんだ。病気になるから、トイレに行きたくなったら外でしたほうが安心だって(笑)」
そんな著者も、インド各地で取材をするなか、子どもが道ばたで排泄している場面に何度も遭遇したことがあるし、ムンバイのスラムでは、オヤジがこちらに尻を向けて排便しているのを目撃したこともある。このユルさがインドらしいと笑い話のネタにしてきたが、衛生面を考えれば、決して笑って済む話ではない。
インドは世界的に見ても、排泄の衛生問題がかなり深刻な国の1つだ。インドは世界で最も多くの人が屋外で排便をしている国であり、いわゆる"野グソ"人口はなんと6億2000万人以上にのぼる。つまり、全国民の半分はトイレで排便をしない。しかも、親のうち44%は子どもの糞便をゴミ箱ではなく、外に捨てているという。屋外に放置される排便の総量は、1日あたり6500万キロ(!)に達すると試算されている。
さらに驚くのが、これでもここ10年ほどで状況がかなり改善されたという事実だ。10年前のことは考えたくもないが、この改善も都市部に限った話。地方に住む約7割の人々はトイレにアクセスできない状況にあるという。
こうした環境から子どもが受ける被害が深刻で、インド国内で大きな問題になっているのはご存じだろうか。
●健康問題に苦しむインドの子どもたち
インドで学校に通う子どもが苦しむ健康問題は、1位が下痢で、2位が寄生虫感染だ。その原因となるのは、人々がそこらじゅうで排泄を行う不衛生な環境にほかならない。水道施設も不十分なため、飲み水に細菌が混じり込むことだってある。…
今から数年前のこと、欧米企業の幹部で中国支部を取り仕切る友人と、シンガポールでビールを飲み交わしていたら、彼が家族とインドを訪れた話になった。彼は妻と2人の子どもを連れてインド支部の幹部宅をバケーションで訪問していたという。
最も盛り上がったのはトイレの話だ。「一番困ったのはトイレ。インドはトイレがマジできつい。友人宅やそれなりのホテルならまだしも、どこかに外出してトイレに行きたくなったら悲劇だよ。あいつ(インド支部の幹部)は、建物のトイレには入っちゃいけないと言うんだ。病気になるから、トイレに行きたくなったら外でしたほうが安心だって(笑)」
そんな著者も、インド各地で取材をするなか、子どもが道ばたで排泄している場面に何度も遭遇したことがあるし、ムンバイのスラムでは、オヤジがこちらに尻を向けて排便しているのを目撃したこともある。このユルさがインドらしいと笑い話のネタにしてきたが、衛生面を考えれば、決して笑って済む話ではない。
インドは世界的に見ても、排泄の衛生問題がかなり深刻な国の1つだ。インドは世界で最も多くの人が屋外で排便をしている国であり、いわゆる"野グソ"人口はなんと6億2000万人以上にのぼる。つまり、全国民の半分はトイレで排便をしない。しかも、親のうち44%は子どもの糞便をゴミ箱ではなく、外に捨てているという。屋外に放置される排便の総量は、1日あたり6500万キロ(!)に達すると試算されている。
さらに驚くのが、これでもここ10年ほどで状況がかなり改善されたという事実だ。10年前のことは考えたくもないが、この改善も都市部に限った話。地方に住む約7割の人々はトイレにアクセスできない状況にあるという。
こうした環境から子どもが受ける被害が深刻で、インド国内で大きな問題になっているのはご存じだろうか。
●健康問題に苦しむインドの子どもたち
インドで学校に通う子どもが苦しむ健康問題は、1位が下痢で、2位が寄生虫感染だ。その原因となるのは、人々がそこらじゅうで排泄を行う不衛生な環境にほかならない。水道施設も不十分なため、飲み水に細菌が混じり込むことだってある。…
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