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スエズ運河が再々値上げも 海運会社はなすすべなし

2014年4月14日月曜日

 地中海と紅海をつなぐスエズ運河が3年連続の通行料の値上げに踏み切る。2012年に3%、13年に5%値上げしており、これに続くものだ。今回の値上げも3~5%とみられており、結果、11年時と比較すると1割近いコストアップとなる。

 スエズ運河の通行料は、例えばLNG(液化天然ガス)船であれば1隻1回につき5000万円かかる。1年間に日本の海運会社がスエズ運河に支払う通行料の総額は400億円に上るというから、「値上げは頭が痛い」(朝倉次郎・日本船主協会会長、川崎汽船社長)話だ。

 スエズ運河を管理・運営しているのは、エジプトのスエズ運河庁。過去2回と同様に今回の値上げも海運会社に対する事前アナウンスはなく、2月1日に突如としてスエズ運河庁のホームページに掲載された。「荷主との調整などもあり半年前には通達して欲しいと伝えているが、荒っぽい手法は変わっていない。スエズ運河庁のやり方には、がっかり。常に一方的な値上げはやめてほしい」(朝倉会長)と訴える。

 強気ともいえる3年連続の値上げに踏み切った背景には、10%近いエジプト国内のインフレ率がある。

 加えて、「政変による観光収入減を、運河通行料で賄う狙いがあるのでは」というのが、海運関係者の見解だ。エジプト政変後の11年には、エジプトの外貨獲得の柱の一つである観光収入は前年より約3割減少した。

 また、独占的な立場も値上げしやすい環境に作用しているようだ。スエズ運河を通過できなければ、アジアから欧州へモノを運ぶのに南アフリカの先端を回って輸送しなければならなくなる。海運会社は値上げを飲んででも、スエズ運河を通るしかないのだ。

パナマ運河より有利に

 それだけではない。一見、遠回りに見える、アジアから北米東岸向けの輸送にも、実はスエズ運河が活用されている。コンテナ船輸送では、太平洋とカリブ海をつなぐパナマ運河を経由する東回りであれば往復70日。一方、スエズ運河を通過する西回りは往復84日かかる。日数だけならパナマ経由のほうが早い。

 ところが近年、コンテナ船は大型化が進んでいる。

 スエズ運河は1万2000TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)の大きさの船まで通過できるのに対して、現在、パナマ運河は4800TEUの船が上限だ。距離は長くなっても、大型の船で輸送できるスエズ運河経由のほうが、コンテナ1個当たりの輸送コストが安くて済むのだ。

 このため、アジアから北米東岸へのコンテナ輸送でスエズ運河を経由する比率は、10年10月の約3割から、12年10月の約4割へと大きく伸びている。

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