証券大手5社とインターネット証券大手3社の「少額投資非課税制度」(NISA)の口座開設数が3月末で計307万件となり、今年1月の制度開始後も約71万件(約3割)増えたことが毎日新聞の取材で分かった。口座数は順調に伸びているが、開設者は中高年を中心とした証券会社の既存客が大半を占め、実際に投資した人は大手5社で2割程度にとどまる。若い人の資金を貯蓄から投資に向かわせるのが制度本来の狙いだが、実現には課題がありそうだ。【土屋渓、鈴木一也】
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は3月末までに14万口座を獲得したが、既存客がほとんどで、口座開設をきっかけに投資を始めた人は全体の2割程度。店舗での対面販売が初心者や若い人から敬遠されがちで、7割超が50〜70代という。野村、大和、みずほ、SMBC日興の各証券も口座数は昨年12月末比17〜33%増と好調だが、状況は同じだ。
各社は利用を促す取り組みを強化している。SMBC日興証券はNISA利用者向けに、投資信託の購入手数料を無料にして投資を促す作戦。松井証券は初心者でも気軽に始められるよう売買手数料を原則無料にした。
野村証券は仕事帰りの人でも参加できるセミナーで投資への理解を浸透させている。今月3日に開いたセミナーに参加した埼玉県川口市の40代女性会社員は「夫と共働きだが、住宅ローンや将来のことを考えて投資の勉強をしないといけないと感じる」と話した。同社の新井聡常務執行役員は「NISAをきっかけに投資を始める人を増やしたい。初心者向けに少額をこつこつ積み立てる投信の紹介に力を入れている」と話す。
SBI、楽天、松井のネット証券大手3社は、3月末時点で同約7割増の計約64万口座を獲得。既存顧客と新規の内訳は公表していないが、約4割の人が実際に投資をしており、大手証券より比率は高い。自発的に口座を開設する人が多いため、投資意欲が高いようだ。楽天証券は約15万8000口座。30〜40代が約半数を占め、「投資に踏み出す未経験者が増えている」(広報)という。
アジア開発銀行研究所の吉野直行所長は「投資で成長分野に資金が流れる動きが日本に足りないのは、金融教育が不十分だからだ。貯蓄と投資のバランスを考えた教育が求められる」と話す。
野村総研の金子久上級研究員は「(上げ渋る)株価を様子見している人が多いのではないか。非課税枠の上限100万円は翌年に繰り越せないので、年末に駆け込みで投資する人が増えると予想される」と話す。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は3月末までに14万口座を獲得したが、既存客がほとんどで、口座開設をきっかけに投資を始めた人は全体の2割程度。店舗での対面販売が初心者や若い人から敬遠されがちで、7割超が50〜70代という。野村、大和、みずほ、SMBC日興の各証券も口座数は昨年12月末比17〜33%増と好調だが、状況は同じだ。
各社は利用を促す取り組みを強化している。SMBC日興証券はNISA利用者向けに、投資信託の購入手数料を無料にして投資を促す作戦。松井証券は初心者でも気軽に始められるよう売買手数料を原則無料にした。
野村証券は仕事帰りの人でも参加できるセミナーで投資への理解を浸透させている。今月3日に開いたセミナーに参加した埼玉県川口市の40代女性会社員は「夫と共働きだが、住宅ローンや将来のことを考えて投資の勉強をしないといけないと感じる」と話した。同社の新井聡常務執行役員は「NISAをきっかけに投資を始める人を増やしたい。初心者向けに少額をこつこつ積み立てる投信の紹介に力を入れている」と話す。
SBI、楽天、松井のネット証券大手3社は、3月末時点で同約7割増の計約64万口座を獲得。既存顧客と新規の内訳は公表していないが、約4割の人が実際に投資をしており、大手証券より比率は高い。自発的に口座を開設する人が多いため、投資意欲が高いようだ。楽天証券は約15万8000口座。30〜40代が約半数を占め、「投資に踏み出す未経験者が増えている」(広報)という。
アジア開発銀行研究所の吉野直行所長は「投資で成長分野に資金が流れる動きが日本に足りないのは、金融教育が不十分だからだ。貯蓄と投資のバランスを考えた教育が求められる」と話す。
野村総研の金子久上級研究員は「(上げ渋る)株価を様子見している人が多いのではないか。非課税枠の上限100万円は翌年に繰り越せないので、年末に駆け込みで投資する人が増えると予想される」と話す。
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