ページ

パワハラ上司を謙虚に変える6つの特効薬

2014年4月18日金曜日

■なぜ無能な男が女性よりも早く昇進するのか
現代は自画自賛の時代であり、名声が成功と同一視され、自己推薦が当たり前になっている。大言壮語と自分が一番という態度が、往々にして才能や有能さと、少なくともしばらくの間は勘違いされると、ビジネス心理学者のトーマス・チャモロ・プレムジックは言う。彼が先ごろ「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌のオンライン版で主張したように、多くの無能な男性が女性より先に昇進するのはおそらくそのためだろう。
ヒューブリス(自信過剰)の危険性について警告する本や論文は、確かにたくさんある。ギリシャ語に起源を持つこの言葉は、度が過ぎたうぬぼれや傲慢さを意味し、一般に、権力の座にある者が自分の能力をひどく過大評価する際に生じる現実認識の喪失を匂わせる。また、自信過剰の反対の「謙虚さ」が忠誠心をかき立て、団結した建設的なチームワークを構築、維持する助けになり、スタッフの離職率を低下させるという証拠も、確かにある。ジム・コリンズは2001年のベストセラー『Good to Great』(邦訳『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』)で、彼の見るところ、謙虚さを持ち、カリスマ的ではなく目立たない形で指揮しているCEOについて、多くのことを指摘した。
だが、リーダーシップ開発プログラムでは、謙虚さは蔑ろにされているようだ。組織の階段を上っているマネジャーたちの認識を見るかぎり、謙虚さは概して誤解されている。どうすればそれを変えられるのか。
■謙虚さと優柔不断は似て非なるものか
まず、謙虚さは手厚く遇する気持ちや丁重な姿勢や優しい物腰のことではない。謙虚さは意気地のなさや弱腰や優柔不断とは何の関係もないものだ。さらに意外に思われるかもしれないが、謙虚であるとは宣伝しないということではない。組織が繁栄するためには、セルフ・マーケティングを含むマーケティングを理解している人間が必要だ。
その一方で、謙虚さは人と異なる考え方をし、自分の信念にもとづいて発言したり行動したりする勇気のある人を評するには適切な言葉ではない。だが、強い個人主義がナルシシズム(自己愛)と結びつき重大な問題が生まれることが研究によって明らかになっている。ナルシシズムは自分の能力や業績に関する過度の自信が、関心や肯定や称賛を絶えず受け続けたいという欲求と結びついたものだ。
ナルシシズムという言葉は自己陶酔的な行動をとる人なら誰にでも広く使われる傾向があるが、心理学者の言うナルシシズムは、一部の人に見られる人格障害を指す正式な用語であり、彼らが健全な人間関係を築くうえで重大な障害になるものだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

 

人気の投稿