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<電力需給>沖縄除く大手9社 今夏も最低限の供給余力確保

2014年4月17日木曜日

 経済産業省は17日午前、夏の節電対策を議論する電力需給検証小委員会を開き、沖縄電力を除く電力大手9社の今夏の電力需給見通しを公表した。ピーク時の電力需要に対する供給余力を示す「供給予備率」は全国平均で4.6%と、昨夏の見通しに比べ1.6ポイント低下した。全国の原発がすべて停止したままでも、全社が安定供給に最低限必要な3%以上を確保したが、関西電力と九州電力は東京電力からの電力融通を上乗せしても、3.0%ぎりぎりの水準となった。

 原発事故前の原発比率が高かった関電と九電は、東京電力からの電力融通分を除くと、供給予備率はそれぞれ1.8%、1.3%にとどまる。酷暑や発電所の故障により電力不足に陥る懸念もあり、政府は両電力管内の企業や家庭に対する数値目標付きの節電要請を回避できるかどうか検討を進める。

 需給見通しは、猛暑だった2010年か13年いずれかの夏並みの気温を前提に、8月の最大電力需要を想定した。昨夏は稼働していた関電大飯原発3、4号機(福井県、計236万キロワット)が昨年9月、定期検査のため停止、西日本の供給力が低下しているため、今回初めて、電気の周波数が異なる東日本から西日本へ電力を融通する計画を盛り込んだ。

 関電は、東電から38万キロワットの融通を受けるほか、中部電力など西日本の電力3社からも融通を受けるなどして3%を達成するが、東日本からの電力融通分を除くと1.8%。また西日本6社で見ても、電力融通分を除くと2・7%。東日本からの融通を受けて、ようやく3.4%となり、東日本頼みの夏となる。発電所の故障リスクに備えるには5%程度の予備率が必要とされており、政府が月内にまとめる節電対策では、両電力管内に対し2年ぶりに数値目標付き節電要請を行うかどうかが焦点となる。【安藤大介、中井正裕、久田宏】

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