＜消費増税＞家電製品、駆け込み購入 品切れや配達遅れも

　消費増税前の最後の週末となった２９日、東京・秋葉原には大勢の買い物客が詰めかけ、家電製品を「駆け込み購入」していた。入学・就職時期と重なっており、冷蔵庫など大型家電を中心に品薄状態に。トラックの確保が困難なケースもあり、購入できても、４月中旬まで商品が届かない事態まで起きている。

　ＪＲ秋葉原駅前のヨドバシカメラ「マルチメディアＡｋｉｂａ」の御代川（みよかわ）忍店長によると、同社は通常なら、全国の主要都市で午後３時までに購入すれば、当日配達する「即日配達」を行っている。しかし、今月に入ってから冷蔵庫やエアコン、洗濯機など一部の大型家電が品薄になった。販売増加を予測し、あらかじめ運送・設置工事業者に態勢拡充を求めていたが、予想を上回る販売量となり、トラックや人手が不足がち。最大で購入から配達まで約２週間かかり、御代川店長は「申し訳ない。配達が正常化するのは４月中旬ごろ」と話す。

　全国に１１７７店舗を展開するエディオン「ＡＫＩＢＡ」でも、買い物客が大型家電を購入していた。配達の大幅な遅延はないがパソコンなど一部商品が品切れだという。

　子供が５月に生まれるため洗濯機を大型のものに買い替えた埼玉県吉川市の会社員、西村貴司さん（３４）は「配達まで１０日かかると言われた。待つのは仕方がない」とあきらめ顔。今月大学を卒業し、４月から東京都江東区の会社に入社する男性（２３）は「冷蔵庫を買おうと思ったが『当分休日の配達ができない』と言われた。会社を休んで受け取るわけにもいかず、購入をあきらめた」と話した。【高島博之】