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<消費増税>本当にお得? 流通大手がポイント合戦

2014年3月23日日曜日

 消費増税を控え、スーパーなど流通大手各社がポイントサービスに力を入れている。電子マネーなどで買い物をすると付与されるポイントの「お得感」を売り物に駆け込み需要対応のセールを仕掛け、併せて、増税後の個人消費の反動減を抑えようという作戦だ。消費者もポイントを使うことで増税分をある程度は吸収できそう。ただ、1000円の買い物で還元されるのは5〜10円分程度しかなく、専門家は「不要支出の抑制も大切」とアドバイスしている。【和田憲二

 名古屋市千種区の流通大手・ユニー系列スーパー「アピタ千代田橋店」。買い物客が店内の端末で次々と「ユニコ」カードにチャージ(入金)していた。同区の主婦(59)は「1円、2円の差が家計には大きい。これまでは現金で支払っていたが、ポイント還元があるのでユニコに変えた」と話す。

 ユニコは、消費増税後の売り上げ減を見越したユニーが「購買意欲を喚起したい」(佐古則男社長)狙いから、昨年11月に導入した電子マネー。専用カードに5万円まで入金できる。カードで200円買うと1ポイント付加され、500ポイントたまると500円分の買い物ができる。

 月に1回、ポイント2倍デーを設けたり、特定の対象商品に5〜100ポイントのボーナスポイントを付けたりして、ポイント獲得を消費者に積極的に呼びかけている。アピタやピアゴなど約230店舗で利用でき、今秋にはサークルKサンクスにも広げる。

 決済総額が年間1兆円を超える電子マネー「ワオン」を手がけるイオンは20〜24日、「まとめ買いでポイントをためて、4月以降もお得に買い物を」と呼びかけ、ベビーフードや肌着など買い置きできる生活必需品を対象に、ワオンで買うと通常の8倍のポイントが付くセールを、本州と四国の店舗で実施中だ。イオンは「ワオンによる買い物が、じわじわと増えてきている」と手応えを感じている様子。

 イトーヨーカドーやセブン−イレブン・ジャパンを展開するセブン&アイ・ホールディングスも、電子マネー「ナナコ」の会員向けに5%割引やボーナスポイントを付けるキャンペーンを行っている。

 野村総合研究所が昨年12月、消費者約3000人を対象に実施した調査では「家賃や投資、教育費は増税の影響が比較的小さいが、食料品や衣類は駆け込みで購入し、増税後に買い控える意識が特に顕著」という。各社が「ポイント合戦」を繰り広げる背景には、こうした危機感もあるようだ。

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