しかし、全面開業から3月31日までの25日間の来場者が1日当たり14万人強を集めていた当初の勢いは鈍化してきている。1000万人の達成は76日目で、東京スカイツリータウン(59日目)を下回るペースだった。
来場者数の内訳は、売り場面積が10万平方メートルと日本最大規模の百貨店「あべのハルカス近鉄本店」が974万人、展望台「ハルカス300」が70万人、レストランが人気の大阪マリオット都ホテルが19万人、あべのハルカス美術館が8万人など。展望台は週末を中心に当日券の購入待ちが1時間以上になる人気ぶりだ。
あべのハルカスは地下5階。地上60階建てで、高さ300メートル。「ハルカス」というネーミングは「心を晴れ晴れさせる」という意味の古語「晴るかす」に由来する。総事業費は1300億円で、10年1月に着工し、12年8月には横浜ランドマークタワー(296メートル)を抜き国内で最も高いビルとなった。13年6月に部分開業し、14年3月に全面開業の運びとなった。
あべのハルカスが立地する大阪の阿倍野・天王寺エリアは梅田や難波に比べて魅力的な商業施設がなかった。近鉄沿線の人口が減少するなか、オフィスも入る巨大駅ビルの建設で、近鉄は沿線の魅力アップを狙う。
●苦戦のあべのハルカス近鉄本店しかし、こうした狙いとは裏腹に、百貨店であるあべのハルカス近鉄本店は苦戦を強いられている。全面開業から5月末までに974万人が訪れたが、15年2月期の年間来館者の目標は4500万人、1日当たり12万人なのに対して実績は同11万人で下振れした。ゴールデンウィーク期間中は5月4日に20万人が来館し、1日としては過去最高の入館者数を記録したが、開業時の目新しさが薄れるとともに消費増税の影響もあり、客足は伸びなかった。
近鉄が展開する近鉄百貨店全体の14年2月期連結決算の売上高は前期比2.3%増の2770億円、本業のもうけを示す営業利益は11.7%減の30億円だったが、13年6月に先行開業したあべのハルカス近鉄本店の苦戦が原因だ。…
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