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「コンビニバイト募集 初心者歓迎」この言葉の裏にある“怖い事実”

2014年7月17日木曜日

 コンビニで働く人は、ほとんどがアルバイトだ。彼らに支払われる時給は、地域差はあれど、低い金額しか提示されない。

 なぜ、アルバイトの時給は低いのか。その理由の1つは、コンビニは物販業からスタートしたからだ。お客さんがレジまで商品を持って来て、それを精算する。作業内容としては「モノを並べて売る」という単純作業なので低賃金……だと考えている。

 しかし、現在のコンビニは単なる物販店舗ではなく、「サービス業」と認識している人も多いだろう。これは、コンビニだけに限ったことではない。エンドユーザーに関わるほとんどの職業がサービス業に変化してきたと感じている。

 コンビニのバイト経験者ならご存じのはず。コンビニの仕事は大変なのだ。掃除、商品補充、接客――これらを同時に行い、カウンターサービスの数々を覚え提供しなければいけない。大変な仕事にもかかわらず、彼らはある程度のレベルを保って働いている。なぜそんなことができるのかというと、「彼らのモチベーションが高いから」と言う人もいる。

 しかし、筆者は「違う」と思っている。もちろん、アルバイトの中にはモチベーションの高い人もいるが、正確には、コンビニ側のある仕掛けによって、アルバイトには"エセモチベーション"が与えられているのだ。

●コンビニ側の仕掛け

 「初心者歓迎!」――。コンビニの店頭でアルバイトの募集広告を見たことがある人も多いはず。コンビニで働く予定のない人にとっては、特に気にならない文言だと思うが、この5文字にコンビニ側の仕掛けがあるのだ。

 コンビニで初めて働く人は驚かれるかもしれないが、多くの作業にマニュアルがある。マニュアルには「行動」について細かく書かれていて、最近では"マニュアル接客"などと揶揄(やゆ)されており、あまりいい意味として受け止められていない。しかし、このマニュアルが整備されたことによって、初心者でもある程度のレベルに達するスピードがものすごく早くなったのだ。

 「それがどうしたの? とてもいいことじゃないか」と思われるかもしれない。確かに、お店側にとってのメリットは大きい。専門知識が必要な職業に比べると、初心者を受け入れやすいし、そのことで人件費を安く押さえることができる。そして、最大のメリットは、アルバイトが"無垢(むく)"な状態になれるということだ。

 「無垢な状態? どういうこと?」と思われるかもしれない。コンビニの仕事は大変だが、無垢なアルバイトには「こんなもんだから……」と思い込ませることができるのだ。

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