【サンパウロ時事】アルゼンチンの債務返済問題で、同国のキシロフ経済財務相は30日、ニューヨークで記者会見し、米ファンドとの交渉が決裂したことを明らかにした。2001年以降13年ぶりとなるアルゼンチンのデフォルト(債務不履行)は不可避の見通しとなった。
デフォルトと正式認定されれば、アルゼンチン経済に対する信頼が揺らぐのは確実。国際通貨基金(IMF)やパリクラブ(主要債権国会議)などとの関係改善を進めてきた同国だが、国際金融社会への復帰が一段と遠のくことになる。
米最高裁は6月、アルゼンチン政府の上告を棄却し、米ファンドに債務全額を支払うよう求める判決が確定した。政府は命令の一時停止を求めて、米裁判所や米ファンドと交渉を続けてきたが合意できなかった。米裁判所が指名した調停人の弁護士は「直ちにデフォルトになる見通しだ」とのコメントを発表した。
米ファンドへの債務返済が実現しないため、アルゼンチン政府が債務削減に応じた債権者への利払いを続けるのは難しくなるとみられる。キシロフ財務相は「米ファンドにだけ有利な条件で債務を返済することはできない」との立場を堅持しつつ、今後も協議を続けていく考えを示した。
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