新型スカイラインは北米でインフィニティQ50として発売されているものの日本モデル。
ノーズのエンブレムがNISSANではなくインフィニティであること、4気筒ダウンサイジング直噴ターボエンジンがダイムラーとのアライアンスにより提供されることなどから、古くからの日産ファンや、いわゆる「スカイライン党」も困惑、賛否両論入り乱れて論議を呼んだ。
今回日本商品企画部の遠藤氏に、それに至った歴史や社内認識について伺った。
・遠藤 智実:日本商品企画部 リージョナルプロダクトマネージャー
■ 手段にこだわらない、世界一を目指す新型スカイライン
ーー(インタビュアー) 今回のスカイラインは北米のインフィニティQ50と同様、フロントにインフィニティバッジがついたまま、一方リアのエンブレムは「スカイライン」をつけていますが一切日産ロゴがついていません。これについて社内での論議や認識といったものはどうなのでしょうか。
遠藤 モノとしては確かに北米のインフィニティQ50なんですが、考え方としてまずスカイラインの歴史を簡単におさらいしましょう。
スカイラインは私が生まれる前、1957年に誕生した歴史の長いモデルです。1964年、当時からスポーツカーメーカーとして名高い名門ポルシェよりもレースで1周先に走った、という伝説を作りました。あの世界一のポルシェに一周ではありますが、勝ったと言う意味でこれは当時の日本車のレベルを考えると凄いことです。そういう伝説を知っていたから、私も入社してすぐにR32スカイラインを頑張って購入しました。野間さん(インタビュアー)も同じ世代ですよね。
ーー はい、R32スカイラインは本当に憧れでしたね。でもR32は無理なのでS13シルビア、ターボのないCAエンジン搭載のQ'sを買いました。それでも学生としては相当無理しましたが。
私は社会人1年目に月給制になったのをいいことにローンでR32スカイラインを買いました。ご存じと思いますがR32はP901、世界一の操安性能を目指して作られたモデルです。
ーー(筆者注) P901(901活動)
1990年代までに技術世界一を目指し、1990年代に開発する全車種を対象にシャシー、エンジン、サスペンション、ハンドリング、そして品質向上の技術開発を行う活動計画である。この結果としてR32スカイライン、Z32フェアレディZ、P10プリメーラ、インフィニティQ45といった名車が生まれた。…
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