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なぜ今も広告を打つ? マクドナルドのカサノバCEO会見に感じた“2つの違和感”

2014年7月31日木曜日

日本マクドナルドが2014年12月期第2四半期の業績発表を行った。2014年1-6月の連結決算は純利益で前年同期比59%減の18億円という結果だった。上海福喜食品の期限切れ鶏肉使用問題もあり、業績への影響や関連する投資額が読めないことを理由に、12月期の連結決算予測を「未定」とする異例の事態となった。会見でカサノバCEOは、下記のような品質管理体制強化を打ち出した。

1.メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開

2.下記対象サプライヤーへの臨時追加監査の実施と毎月の現場での作業確認の実施
・(チキン以外の製品を製造している)中国のサプライヤー
・タイのチキン製品サプライヤー

3.中国製製品と、タイ製チキン製品の日本国内での品質検査を高頻度に実施

■なぜ、カサノバCEOは今、会見に出たのか?
上海福喜商品問題が起きたのは先週のことだ。ファミリーマートは囲み取材など社長が記者のインタビューに答えていたが、カサノバCEOが会見することはなかった。それがなぜ決算発表と同時のタイミングなのか?

理由はただひとつ。業績悪化が続く中の決算発表があったからこそ、そこに賞味期限切れ問題を合わせようということなのだろう。リスクマネジメント広報のセオリーに照らし合わせれば、不祥事が起きたらすぐにトップが会見に臨む方が良い。カサノバCEOが今になって会見に出て来たのは、上海福喜食品の問題によって業績悪化に影響が出ると踏んだからだ。率直に言えば、就任以降業績の上がらない状態がうやむやになることが見えているから登場したのだ。

会見では2つの違和感を覚えた。次にそれを紹介したい。

■カサノバCEO会見で覚えた2つの違和感
1つ目は会見の目的が「謝罪ではなく宣言」ということだ。

日本人と外国人のメンタリティの違いから来るものかもしれないが、純粋な謝罪に受け取りづらい人が多かったのではないか。むしろ、自身の強いリーダーシップを見せようとして、今回の問題を起こした上海福喜食品への強い憤りと、二度と問題を起こさないような対策の打ち出しに会見の重点が置かれていた。

ここ数年でマクドナルドが失っているファミリー層からすれば、子どもたちへの影響はどうなのかが気になる点だ。そして、消費者からすれば上海福喜食品がマクドナルドとは別会社であろうと、消費者とすればマクドナルドを食べているということとイコールだ。マクドナルドが本当に消費者のことを感じているのであれば、謝罪の言動は変わって来たはずなのだ。

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