■不妊治療のイメージが変わった
「男性の数がすごく多い……カップルできている人が多い」。
先日、「過去、現在、未来の不妊治療者を応援する」団体、NPO法人FINEのイベントに登壇させていただきましたが、そのときの第一印象です。
FINEさんにはずっと取材でお世話になっています。イベントは2008年から年1回開かれているそうですが、ずっと参加している人によると「前とは全然雰囲気が違う」というのです。
とくに今年のテーマは「ちゃんと知りたい男女の不妊」。カップルで来る人が多いのもわかります。そして一緒に登壇したのは、作家のヒキタクニオさん。
『「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」』(光文社新書)はユーモラスに、そして生々しく、男性不妊の治療を書き綴ったノンフィクション。トーク中も自ら「ダメ金玉」と言って、何回も会場を笑わせていました。
こうして、不妊治療の「秘められたもの」「人には言えない」という雰囲気がどんどん変わっていく……。それは、治療経験や経緯を公にする、一般人はもちろん、芸能人やヒキタさんのような方のおかげなのです。
■なぜ男性は、子づくりに二の足を踏むのか
40代まで気ままに生きてきたヒキタさんが「子どもを作ろう」と思ったきっかけは、奥さんに「あなたの子どもが欲しい」と言われたことです。
ここに大きなポイントがあるのですよ。
女性は「本能の呼び声」としか言いようのない思いに突き動かされ、出産の限界年齢の足音とともに、突然子どもが欲しくなることがよくあります。割とキャリア女性などに多いパターンなのですが、この「突然の野生の呼び声」とも言うべきものに、女性はなかなか逆らえません。
そして優秀な人ほど持ち前のリサーチ能力を駆使し、本を読み、サイトをチェックし、知識を蓄え、すっかり不妊治療のプロになったところで夫に打ち明ける。ところが、夫は寝耳に水です。妻の発する専門用語や卵子の老化の話などは、彼にとっては異国語も同然。
だいたい、男性は変化を嫌う生き物で、適応能力も女性に比べると低い。子どもという最大の変化に対して、ついつい「今の仕事が終わってから」とか、「まだいいんじゃない?」などという返事をしてしまう。
今は共働きが多いので、子どもが欲しいと目をキラキラさせる妻に対峙しながらも「えーっ、仕事どうするの? 君が仕事やめたら、今のマンションに住めないよ」という経済的事情も頭をよぎる。
「自然に任せればいいんじゃないか……」などとモゴモゴつぶやくと、さらに妻はヒートアップしてしまうのです。…
「男性の数がすごく多い……カップルできている人が多い」。
先日、「過去、現在、未来の不妊治療者を応援する」団体、NPO法人FINEのイベントに登壇させていただきましたが、そのときの第一印象です。
FINEさんにはずっと取材でお世話になっています。イベントは2008年から年1回開かれているそうですが、ずっと参加している人によると「前とは全然雰囲気が違う」というのです。
とくに今年のテーマは「ちゃんと知りたい男女の不妊」。カップルで来る人が多いのもわかります。そして一緒に登壇したのは、作家のヒキタクニオさん。
『「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」』(光文社新書)はユーモラスに、そして生々しく、男性不妊の治療を書き綴ったノンフィクション。トーク中も自ら「ダメ金玉」と言って、何回も会場を笑わせていました。
こうして、不妊治療の「秘められたもの」「人には言えない」という雰囲気がどんどん変わっていく……。それは、治療経験や経緯を公にする、一般人はもちろん、芸能人やヒキタさんのような方のおかげなのです。
■なぜ男性は、子づくりに二の足を踏むのか
40代まで気ままに生きてきたヒキタさんが「子どもを作ろう」と思ったきっかけは、奥さんに「あなたの子どもが欲しい」と言われたことです。
ここに大きなポイントがあるのですよ。
女性は「本能の呼び声」としか言いようのない思いに突き動かされ、出産の限界年齢の足音とともに、突然子どもが欲しくなることがよくあります。割とキャリア女性などに多いパターンなのですが、この「突然の野生の呼び声」とも言うべきものに、女性はなかなか逆らえません。
そして優秀な人ほど持ち前のリサーチ能力を駆使し、本を読み、サイトをチェックし、知識を蓄え、すっかり不妊治療のプロになったところで夫に打ち明ける。ところが、夫は寝耳に水です。妻の発する専門用語や卵子の老化の話などは、彼にとっては異国語も同然。
だいたい、男性は変化を嫌う生き物で、適応能力も女性に比べると低い。子どもという最大の変化に対して、ついつい「今の仕事が終わってから」とか、「まだいいんじゃない?」などという返事をしてしまう。
今は共働きが多いので、子どもが欲しいと目をキラキラさせる妻に対峙しながらも「えーっ、仕事どうするの? 君が仕事やめたら、今のマンションに住めないよ」という経済的事情も頭をよぎる。
「自然に任せればいいんじゃないか……」などとモゴモゴつぶやくと、さらに妻はヒートアップしてしまうのです。…
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