フロイトやユングと並ぶ心理学の巨人・アドラーは、現代を生きる私たちに人生観が変わるほどの気づきを与えてくれます。その教えをわかりやすく説いた『嫌われる勇気』は今や30万部のベストセラー。本連載では『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎氏が、職場や日常生活で起こりうる皆さんのお悩みを「アドラー流」に解決いたします。
今回のお悩みは、31歳の男性によるもの。アドラー流の解決策はどのようなものでしょうか?
【今回のお悩み】
「タメ口で話してくる年下のアルバイト。本当にむかつきます」31歳男性
ファストフード店で店長をしていますが、年下のアルバイトが「タメ口」で話してきて、イライラしてしまいます。社員は私一人だけで、残り全員がアルバイトです。人手が足りていないので、注意して辞められても困りますし、ふて腐れても困ります。どうしたらいいでしょうか?
【アドラー流回答】
あなたに必要なのは、「他者の課題」と割り切る勇気。
年下のタメ口にイライラしているのですね。
まずはじめに考えてほしいのは、「タメ口で困っているのは誰か」ということです。
年下のアルバイトでしょうか?
いいえ、それはあなた自身です。
タメ口はあなたが「注意」するようなことではありません。
あなたにできることは、「そんな話し方、やめなさい」と相手に命じることではなく「あなたのその話し方はいや」というように、自分がどう感じるかを伝えることです。
なぜならそのタメ口を不愉快に感じているのは、アルバイトの方ではなくあなた。つまりこれは「あなたの課題」で、あなたが解決すべき問題なのです。
そしてアルバイトの方がどんな話し方をするかは、その人自身の課題です。このとき、残念ながらあなたの課題を相手に解決させること、つまり「私がいやだからとタメ口をやめさせること」はできません。
それは他者の課題に土足で踏み込むことを意味します。
あなたができることは、アルバイトのタメ口を一つひとつ、あなたが気に入るような言葉に「翻訳」しながら聞くことです。
日本の社会では、職責の違い(役職の違い)が人間関係の上下を意味することが多くなっています。しかし、若い人は知識や経験が十分でなくても、人間として劣っているわけではなく、人間としては対等です。
もちろん、上司は先に働き始めた分、知識も経験もあり、取らなければならない責任の量も違います。その意味で上司と部下が「同じ」だとはいいませんが、人間としては「対等」なのです。…
0 件のコメント:
コメントを投稿