これを大きく後押ししたのが「猛暑」だ。
もともと、猛暑になると特需が発生する業界がある。そのため、夏が暑くなるという予想が出ると、株式市場ではいわゆる「猛暑関連株」が買われる。「猛暑関連株」としては、ビールメーカー、アイス菓子メーカー、ジュースなどの飲料メーカー、さらにはプールなどのレジャー産業など、誰もが思いつくものが多い。しかし中には、「なんでこの業界が猛暑になると儲かるの?」と思うような業界もある。
まず、好調な理由がわかりやすいのがカフェだ。昼のオフィス街のドトールコーヒーやスターバックスといったカフェチェーンには、背広姿のサラリーマンの姿が多い。猛暑のあまり、涼しさと水分を求め、避難してきているのだろう。
ほかにも、ガソリンスタンドで儲けが急増したところもある。昨今、ガソリンは値上げを続けており、消費者心理は冷え込んでいた。しかしこの暑さで、本来なら歩きや自転車で行けるちょっとした外出でも、自動車を使うという人が急増したのだ。ただ、あるガソリンスタンドの店主は、「スタンドに併設されたコンビニには、普段歩きで来る客も車で来るなど、ガソリンの消費は増えているんだろうけど……ガソリンの値上げで給油客が10リットルや20リットルなど少ししか入れなくなった。客数は増えたけど、客単価が伸びないのが悩みだ」と漏らしていた。
さらには外が暑いから、そもそも外出しない、という人も多い。その恩恵を受けた最たるものが宅配ピザ業界だろう。
8月17日付日本経済新聞によれば、250店を展開する宅配ピザ大手、ドミノ・ピザジャパンの8月の売り上げは、前年同月を約30%上回っており、特に記録的な猛暑となった8月第3週から急速に伸びたという。
また自宅での娯楽も人気だ。DVDなどのレンタル店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のネット宅配サービスは、8月1~15日の売上高が前年同期比で34%増えたという。自宅で気軽に買い物ができるEコマース業界も、暑くなればなるほど多大な恩恵を受ける業界だろう。この影響で、運送業なども配送により売り上げが伸びるという。
第一生命経済研究所によると、夏の平均気温が平年より1度高くなると、個人消費を4333億円押し上げるという。…
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