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マレーシアに2030年完成予定 巨大都市開発計画に賭ける日本人起業家

2013年8月15日木曜日

前回まで、シンガポールに進出する日本人の起業家・富裕層を紹介してきましたが、今回はシンガポールに隣接するジョホール・バルで事業を行っている起業家を紹介します。シンガポールの対岸ジョホール・バルが注目された理由

 今回ご紹介するのは、ジョホール・バルで不動産仲介業を営むJJ Brights Consultant代表取締役の木藤敬介さん(30歳)。

 木藤さんは大学卒業後にデンマークのMaersk社に入社し船舶の売買を担当した後に、マレーシア・タイ・フィリピン・マカオなどの不動産を扱うグローバルアジアアセット社に転職。3年前にジョホール・バル(マレーシアではクアラルンプールに次ぐ都市。ジョホール海峡を挟んだ対岸にシンガポールがある)を初めて訪れました。

 当時はまだジョホール・バルの不動産は日本人投資家に広く知られていませんでしたが、1マレーシアリンギット=25円という円高(現在は約30.5円)と、立地の良い高級物件でも平米単価が10万円程度という割安さから、海外不動産投資の熟練者からは一定の注目を浴びており、1週間に1組程度の日本からの顧客に対応していました。

 今でこそ日本でもかなり知られるようになった、ジョホール・バルの開発計画「イスカンダル」(総投資額10兆円、計画人口300万人)ですが、2006年にこの計画をマレーシアの連邦政府が発表した当時は、現地の人のほとんどが実現性に懐疑的でした。

 というのも、マレーシアの連邦政府とジョホール・バルの州政府が不仲であったことに加えて、クアラルンプールの首都機能の一部を移そうとしたプトラジャヤ(クアラルンプールの25km南方に位置する、マレーシア政府が行政新首都として開発中の都市)の開発に、アジア通貨危機などの理由でマレーシアの連邦政府が苦戦していたことが挙げられます。

 それが、ちょうど木藤さんがジョホール・バルに赴任した2010年ころから、イスカンダル計画への見方が変わっていきました。

イスカンダル計画の進捗とともに独立開業へ

 それは、前のスルタン(各州の王。マレーシアには9の州があり、それぞれにスルタンがいる)が2010年に亡くなり、開発に積極的な新しいスルタンがジョホール州の首長となったことに加えて、マレーシアの連邦政府とシンガポール政府が、マレー鉄道のシンガポール内の軌道の領有権をシンガポール政府に返還することで合意するなど、ジョホール・バルが隣接するシンガポールのサポートが期待できるようになったことが理由です。

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