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バルマーCEOが突然の辞意 マイクロソフトに“成長の壁”

2013年9月2日月曜日

「デバイス&サービスカンパニーという新たな方向性のために、長期的に務められるCEOが必要だ」。米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)が8月23日、1年以内にCEOの職から退任することを明らかにした。

 モバイル、クラウド、ソーシャルといったキーワードに象徴される昨今のコンピューティング革命に、マイクロソフトは後れを取っているというのが市場の共通した見方だ。そしてここ数年、バルマー氏のリーダーシップに対して、株主からの圧力は高まっていた。実際、退任の発表を受けて株価は7%近く上昇した。

 もっともバルマー氏が率いるマイクロソフトは、必ずしも自己変革を怠っていたわけではない。

 例えば、米グーグルの向こうを張る「ビング」という検索エンジンも持っているし、クラウド型に移行した業務ソフト「オフィス365」には、買収した企業向けソーシャル・ネットワーキング・サービスの「ヤマー」を統合してフェイスブックのような情報共有機能をつけた。また、クラウド上に文書や画像などを保存できるエバーノートと同様の「ワンノート」というサービスも行っている。インターネット電話の「スカイプ」も同社の傘下にある。

 デバイス分野でも、自社開発のタブレット端末「サーフェス」や独自のスマートフォン「ウィンドウズフォン」も展開しているし、家庭用ゲーム機「Xbox」事業も持ち、体の動きや音声などで操作できる「キネクト」という独自の入力技術を搭載している。

 しかし、時代の変化には敏感に反応していたものの、どれも"ほかの誰かもやっていること"にすぎず、市場の主導権を握る存在とはなっていなかったわけだ。

 それでも2013年度の連結業績は、売上高は前年度比4%増の778億4900万ドル、営業利益は同23%増の267億6400万ドルと、デバイスとサービスへのシフトで収益モデルが変わる中、増収増益は維持した。だが、かつて"パソコン市場の支配者"として約80%の粗利益率を誇り、裁判所から独占禁止法違反により会社分割を命じられたほどのもうけぶりに比べると見劣りする。"普通の高収益企業"では、市場は許してくれないということだろう。

後継者は外部から招聘か

 さて、気になる後継者だが、かつて創業者のビル・ゲイツ会長からCSA(主席ソフトウエア設計者)職を引き継いだレイ・オジー氏、ウィンドウズの大刷新に踏み切ったスティーブン・シノフスキー氏、欧米市場でXboxを成功させたドン・マトリック氏、ゲイツ会長の秘蔵っ子でエンターテインメント&デバイス部門の技術トップを務めたジェイ・アラード氏など、これまで同社の次世代リーダーと目されてきた人物たちは、この数年でことごとく会社を去っている。

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