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食品スーパー、なぜ再編加速?他業種との競合激化や消費増税、大手は積極買収で連合拡大

2014年2月26日水曜日

 阪急阪神百貨店などを傘下に持つエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は、関西を地盤とする中堅スーパー・イズミヤを株式交換方式で完全子会社にする。H2Oは百貨店のほかに高級スーパー・阪急オアシスを展開し、2014年3月期の売上高は5700億円の見通し。一方のイズミヤは食品スーパー・デイリーカナートなど119店を展開し14年2月期の売上高は3500億円になる見通しであり、単純合計で売上高規模は9200億円になる。

 H2Oは三越伊勢丹ホールディングス、大丸松坂屋百貨店などを展開するJ.フロントリテイリング、高島屋、セブン&アイホールディングス傘下のそごう・西武に次いで業界第5位だが、イズミヤの買収で一気に3位に浮上する。

 大阪では11年以降、JR大阪駅周辺でJR大阪三越伊勢丹の新規出店や大丸梅田店の増床などが相次ぎ「大阪百貨店戦争」といわれた。その中でH2Oの旗艦百貨店・阪急うめだ本店も大幅増床し、14年3月期の売上高は前期比3割増の1880億円となる見通し。東京・新宿の伊勢丹本店に次ぐ規模の売り上げを誇るが、限られたパイを奪い合う大阪戦争は予想以上に激しく、当初の売上目標(2130億円)を2度下方修正した。

 成熟した百貨店業ではこれ以上の成長が期待できないことから、H2Oは外食チェーンなど他業種のM&A(合併・買収)を進め、グループ全体の売り上げ底上げを図ってきた。イズミヤを傘下に収めることで百貨店、ショッピングセンター、高級スーパーから、総合スーパー、食品スーパーを擁する関西最大の流通グループに生まれ変わる。

 買収されるイズミヤは、イオンとセブン&アイが2強に君臨する流通業界を単独で生き残る戦略を探ってきた。13年10月にはファミリーマートと組んでコンビニと食品スーパーの複合店の実験展開を始めた。だが、13年8月中間期は既存店売り上げが6カ月のうち5カ月で前年割れとなり、単独で生き残るのは難しいと判断して、H2Oの子会社になる道を選んだ。

 関西で頭一つ抜けた流通グループが誕生することで、食品スーパー再編の呼び水になるのではないかとの見方も強い。近畿と首都圏に展開する食品スーパー最大手のライフコーポレーション、滋賀県で圧倒的なシェアを持つ平和堂、南近畿でトップのオークワといった大手スーパーを巻き込んだ再編が進むものと予想されている。

 H2Oによるイズミヤ買収に対し、株式市場では評価が分かれた。

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