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東京チカラめしを「急上昇」のあと「急落」させた「シェア」の力とは

2014年2月19日水曜日

2011年に一気にブームになり130店舗まで一気に店舗数を増加させた東京チカラめし。ところが昨年は39店舗閉鎖と一気にしぼんだ。私のオフィスがある青山の店舗も閉店してしまった。その理由として、牛丼チェーン店やマクドナルドの競合が同業界だけでなく、コンビニなどに広がったこと、味やサービスが悪かったという意見は雑誌やネット上でも目にすることが多い。ただ、それだけでは「落下」の説明にはなっても「急落」の説明にはならない。なぜ、東京チカラめしは急落してしまったのか?

その理由は、「Share(シェア/共有)」の力だ。

人々の購買行動様式が変化し、その中でも情報入手と情報共有の方法が変わった。簡単に言えば、インターネットが出て来たことで、消費者は自分が欲しい情報を検索出来るようになった。ブームになっている店、美味しい店の場所はもちろん、店の評判などもわかるようになったわけだ。さらに消費者自身が、自分が行った飲食店の感想を写真付きでレビューサイトや自分のブログに投稿するようになった。

つまり、人気や話題になると一気に情報が広がる反面、悪い情報が出ても一気に情報が広がる、Shareされる時代なのだ。そのShareが東京チカラめしを一気に押し上げ、一気に落とさせた。

Shareの観点で見ると、東京チカラめしが、上昇→急上昇→落下→急落下する流れがよくわかる。

まず業績を「上昇」させた理由はこうだ。日本経済の不況が進み、お父さんたちを中心としたサラリーマンたちは昼食代を含むお小遣いを節約しなければならなくなっていた。しかも東京チカラめしが出店し始めた当時、牛丼業界は値下げ争いの真っただ中にあり、コンビニでお弁当を買うならば、牛丼を食べた方が安上がりという状況が生まれていた。日本のサラリーマンの牛丼頻度が上がっていたのだ。

しかし毎週のように牛丼を食べていたら、さすがに飽きも来る。そこに登場したのが東京チカラめし。焼き牛丼という新しい食べ方にサラリーマンたちは食いついたのだ。

そして焼き牛丼という新しい食べ方に人気があるという情報は、テレビだけでなくインターネットを通じて、とてつもないスピードでShareされ、広まった。その結果、昼時には東京チカラめしには長い行列が出来た。

三光マーケティングフーズの経営陣は、この勢いを成功と捉えたのだろう。東京チカラめしは他の牛丼チェーン店が苦戦する中、異様なスピードで出店攻勢を続けたのだ。

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