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ピンクのクラウン買った人 若手社長にタクシー、転売目的も

2013年10月4日金曜日

 かつて、街中でフォルクスワーゲンの黄色い「ビートル」を3台見かけたら幸せになれるという、験担ぎのような言い伝えがあった。時は流れ、これからは「ピンクのクラウン」がプレミアムカーの象徴になるかもしれない。

 トヨタ自動車が9月限定で売り出した「クラウン」の"モモタロウ"と名付けられたピンク色の特別仕様車。その受注台数が約650台だった。通常のクラウンは月平均6700台を販売しているため、数でみればたいしたことはないが、「高級セダンであの色を買う勇気のある人が650人もいたのはすごいこと」(業界関係者)と驚きの声も挙がる。

 実際にどんな人たちがピンククラウンを購入したのか。トヨタによれば、30代、40代といった若い顧客が計4割、女性の購入比率が35%を占めたという。

 購入者の職業は、「中小企業のオーナーさんからの問い合わせが多かった」(トヨタ系ディーラー担当者)との話から、「銀座のママさんが目立つために乗りたいと言っていた」、「将来、希少価値が上がるとの皮算用から転売目的で購入した人がいる」なんて噂話までさまざま。個人タクシーやレンタカーの使用目的もあったらしい。

 そもそも、2012年末に発売した14代目の新型クラウンは、「ReBORN(再生)」をキャッチフレーズに斬新なデザインが話題をさらっていた。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がいう。

「1990年代に年間20万台以上を販売していたクラウンも、ここ数年は4万台前後と低迷し、そろそろクラウンも終わりかと思われるほどピンチでした。そこで、思い切ったコンセプトチェンジで従来の富裕層やオジサン以外の顧客をつかむのが至上命題だったのです。

 ただ、単なる驚きではなく、存在感を出さないと変わった印象を与えられないので、台形のフロントグリルや鋭い形状のヘッドランプなど奇抜な"顔"にしたのです。開発の段階で豊田章男社長が『ワォ!(驚き)を感じない』とダメ出しをしたのは有名な話です」

 ブランドイメージ刷新の効果は絶大だった。今年1~6月のクラウンの販売台数は、前年同期比2.8倍の5万台弱を記録し、良い意味でユーザーの先入観を覆すことに成功した。

「日本人は保守的で安心ブランドが好きだからクラウンが選ばれてきたのですが、新型クラウンの人気ぶりをみると、そんな保守的なユーザーも自分の変身願望を満たせるクルマなら、どんな斬新なデザインでも心の琴線に触れることが証明されました。

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