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<消費増税>「価格転嫁難しい」 中小企業、利幅縮小の不安

2013年10月3日木曜日

 来年4月からの消費増税が決まり、中小企業などは増税分の価格転嫁が進むのかが悩みの種になりそうだ。政府は2日、流通業者などが増税分の価格転嫁を拒むことのないよう「転嫁対策調査官(転嫁Gメン)」を設置、目を光らせる構えだが、果たしてうまく機能するのか、立場の弱い中小企業や個人事業主は不安を抱いている。

 「原材料のステンレス価格が高騰したとき、価格転嫁しようとしたけど認められなかった。今回も発注元が認めるとは思えない」。東京都大田区の金属加工会社「エスエスケー」の佐々木忠義社長(67)はこぼす。自身を含め従業員3人で医療機器の部品などを製造。身銭を切ることは避けたいが、「価格が上がることで海外に仕事を奪われてしまうかも」と心配している。

 消費税は製造や卸、小売りの各段階の取引に課税され、最終的には販売価格に転嫁されて消費者が負担する仕組みだ。

 だが、立場の弱い中小企業には増税分を転嫁できないという懸念も根強い。例えば、現状2100円(本体2000円、消費税5%分100円)で売られている商品は、消費税が8%になると2160円。消費者には「値上げ」となるため、大手小売業者が価格を据え置いて2100円のまま売ろうとすると、納入業者が本体価格の引き下げを求められ、利益を削らざるを得なくなる恐れがある。

 全国中小企業団体中央会には、食品加工など消費者に身近な業界を中心に「価格転嫁が難しい」との声が寄せられているという。来春の納品価格交渉が一部で始まっているが、関東地方の豆腐製造卸業者は「消費増税分を上乗せしたいと言えば、取引がなくなってしまう」と不安がる。

 このため、政府は「転嫁Gメン」として専門の調査官約500人を配置し、電話相談や転嫁を拒否した業者の立ち入り検査などを実施。悪質な事例は企業名を公表する。業界団体が消費増税分の値上げで足並みをそろえる「転嫁カルテル」も容認する。

 ただ、大企業からの値下げ圧力が強い中、効果は未知数だ。豆腐メーカー約3000社が加盟する全国豆腐連合会は転嫁カルテルに取り組む方針だが、「メーカー同士も我慢比べ。うまくいく状況にはない」と懐疑的な声も多い。【神崎修一横山三加子松倉佑輔

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