ページ

WTO、ドーハ・ラウンド「初成果」=貿易円滑化など3分野―土壇場で決裂回避

2013年12月7日土曜日

 【ヌサドゥア(インドネシア)時事】インドネシア・バリ島で開かれていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は7日、10年以上にわたり難航していた新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、貿易円滑化など3分野の「部分合意」に達し、閉幕した。焦点となっていた農産物への補助金の扱いをめぐり、激しく対立していた米国など先進国とインドが歩み寄った。

 2001年に始まったドーハ・ラウンドで具体的成果が出たのは初めて。多国間の貿易自由化を目指すWTOの交渉機能がまひし、威信が失墜する最悪の事態を土壇場で回避した。

 WTOのアゼベド事務局長は閉会式で、「不可能と思われていた合意が実現した」と成果を強調した。

 加盟159カ国・地域が合意したのは、輸出入を促進するために税関手続きを簡素化する「貿易円滑化」、発展途上国の食糧安全保障を目的とした補助金の特例など「農業の一部」、後発発展途上国に対する優遇措置である「開発」の3分野。

 交渉の焦点はインドが主張した途上国による農業補助金の特例。WTO協定に違反する一定額以上の補助金を認めるよう求めた。米国や欧州連合(EU)は補助金で安い農産物が輸出されれば、貿易価格がゆがめられると反対したが、恒久措置ができるまで特例を認めることで決着した。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

 

人気の投稿