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<仮想通貨>ビットコイン急成長 各国当局が動向注視

2013年12月24日火曜日

 【ワシントン平地修】インターネット上で流通する仮想通貨「ビットコイン」の取引が米国をはじめ世界で拡大し、注目を集めている。各国当局や中央銀行の規制に縛られず、銀行を通さずに国境を越えて自由に取引でき、送金手数料などもほとんどかからない。ただ、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪の温床となる懸念が出ているほか、ビットコインは流通量が限られているため、投機的な取引も目立ち、各国当局が動向を注視している。

 米ワシントン市内で教育支援サービス業を展開する「ジョージタウン・チュータリング」は来年1月から、授業料や助言料の支払いをビットコインで受け付ける。共同創業者、アンドリュー・シャンビリデスさんはビットコイン活用を決めた理由について「既存の決済サービスやクレジットカードは利用手数料が高く、中小事業者には負担が重い。ビットコインは基本的に手数料がかからないのが魅力」と語る。

 同社は米国の大学進学を目指す海外の学生への進路相談やオンライン授業サービス事業を広げる予定。ほとんどコストがかからず、国境を越えてネット上で瞬時に代金を受け取れるビットコインの利点は大きい。シャンビリデスさんは「ビットコインは海外の学生と私たちを結びつけてくれる。すでにビットコインでの支払い要請が来ている」と話す。

 米国では活用が急速に広がる。ビットコインでの決済サービスを提供する「ビットペイ」(ジョージア州)のウェブサイトには、商品やサービスを提供する1万2000を超す業者が登録されている。家電や衣服をはじめ、旅行商品や宅配ピザなど使える商品は多岐にわたる。

 ニューヨークやサンフランシスコなど都市部を中心にビットコインで支払えるレストランも増えている。最近ではカリフォルニア州の自動車販売店で、数百万円相当の車をビットコインで購入したケースが話題となった。

 ビットコインは基本的に個人同士でネット上で直接取引が行われる。銀行やクレジットカード会社などが介在しないため、手数料がほとんどかからないのが大きな利点。海外への送金など瞬時に行える利便性の高さが普及に弾みを付けている。

 ◇キーワード・ビットコイン

 インターネット上で取引される「仮想通貨」。ドルや円など現実の通貨をデジタル化しただけの電子マネーと異なり、それ自体が資産として価値を持つ。「ナカモト・サトシ」と名乗る正体不明のプログラマーの論文に基づき仕組みができたとされ、米リーマン・ショック後の2009年から流通が始まった。

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