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<日銀短観>4ポイント増で6年ぶり高水準…ただ下落予想も

2013年12月16日月曜日

 日銀が16日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI=景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値)は大企業・製造業が前回9月調査(プラス12)から4ポイント高いプラス16となった。2007年12月以来、6年ぶりの高水準。大企業・非製造業も6ポイント上昇のプラス20だった。改善はいずれも4期(12カ月)連続で、幅広い業種で企業の景況感の改善が続いていることを裏付けた。ただ、3カ月先は一服する見通しで、大企業・製造業は2ポイント下落のプラス14、非製造業は3ポイント下落のプラス17だった。

 大企業は全28業種中、20業種でDIが改善した。円安・株高が11月以降加速したことなどで輸出型産業の業績が改善しているほか、国内の消費が堅調で内需型産業の業績も改善している。業種別に見ると大企業・製造業では、「自動車」が前回調査から4ポイント上昇のプラス31、「電気機械」も2ポイント上昇のプラス11と改善した。建設需要が好調なため、「木材・木製品」はプラス65と17ポイント上昇し、大幅に改善した。

 大企業・非製造業では、公共事業の増加や住宅販売が好調なことを背景に、「建設」が7ポイント高いプラス27となった。住宅や自動車など消費増税前の駆け込み需要で消費が堅調な「小売り」は3ポイント改善のプラス11となった。

 また、中小企業の景況感は製造業が10ポイント上昇のプラス1で、07年12月以来、6年ぶりのプラスとなった。非製造業は5ポイント上昇のプラス4で1992年2月以来、約21年ぶりにプラスに転換した。大企業に比べて遅れがちだった中小企業の景況感も改善が進んでいる。

 13年度の事業計画の前提とする想定為替レートは1ドル=96円78銭で前回調査(94円45銭)から、2円程度円安方向に修正された。13年度の設備投資計画は大企業・全産業で4.6%増と、前回調査(5.1%)から小幅下方修正された。【工藤昭久

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