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「高い死亡保険=俺の価値」の人は老後マネーが“崩壊”する

2014年9月10日水曜日

■自分の価値=保険金の額か

「男なのに、そんなに少なくていいわけがない!」

「俺の価値はそれだけですか……」
夫の口から出るセリフとは裏腹に、「そんなに少なくていいんですか♪」と隣で明らかに喜んでいる妻。

これは家計相談にいらっしゃったとある40代のご夫婦のワンシーンだ。

男は結婚したら保険に入るもの。

男は子どもが産まれたら保険に入るもの。

男はもしもの時にはたくさんのお金を残すもの。
この記事を読んでいる男性も頭の中にこんな考えをほんの少しでも思い浮かべたことはないだろうか? もしもあるのなら、月々支払う保険料が老後資金を圧迫する可能性が高い。
そこで、必要となるのが死亡保険の見直しだ。とりわけ、そのプロセスで重要なことは、「必要額」の見極め。
子どもがいる夫婦の場合、見直しのポイントは「夫が亡くなった後」の妻子が生きていくのにかかるお金と入ってくるお金の額だ。つまり、夫が亡くなった後、(1)妻が平均余命で亡くなるまでと、(2)子が就職するまで、の期間の(1)と(2)の総支出と総収入とを比べる(図参照)。
■死亡保険に入らなくてもいいのに、入る
総支出は、住居費、生活費、教育費、余暇費用などの合計で、総収入は、遺族年金や老後の年金、死亡退職金や妻の収入などの合計だ。
単純にいえば、死亡保険は総収入よりも総支出が多かった場合に、不足する金額分だけ加入すれば事足りる。
ところが、この考え方を教えてくれる人が少ないため、「男は保険に入るもの」と思い込み、過剰な保険金の商品に加入しているケースが多いのが現実だ。
額の大きすぎる保険金の商品に入っているケースを検証すると、その加入動機にある共通項があることに気づく。それは、「親の紹介」や「職場の勧誘」だ。いわば義理・人情で加入してしまうケースである。
その典型的な商品内容は、一生保障が続く終身保険(10万円~100万円など)の死亡保険をベースに、加入から10年間に亡くなった場合に保険金がもらえる定期保険3000万円程度を上乗せしたようなものが目立つ(この定期保険部分は掛け捨て)。
しかし実際には、夫死亡時に国からもらえる遺族年金があり、持ち家があり(住宅ローンが残っていても、団体信用生命保険に加入している)、妻が就労していて収入がある場合、その収入額が日常の生活費などの支出額より多いこともあり、そうなると死亡保険がゼロ円でもよくなる(死亡保険に加入しなくてもいい)。

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