ページ

お化け屋敷よりも怖い? コンビニの“骨肉の争い”

2014年8月1日金曜日

 コンビニの出店競争が激しくなっている。かつて「日本では5万店が限界」などと言われていたが、その数字を超え、今ではコンビニチェーンの格差が明確になってきた。

 業界内で"弱小"と言われているチェーンは「このままでは大手3社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)に勝つどころか追いつくこともできない……」と判断したのだろうか。先日、サークルKサンクスの身売り話が報道された。

 親会社のユニー・グループHDはこれを否定しているが、筆者は「火のないところに煙はたたない」と思っている。つまり、弱小は「ウチの会社を高く買ってくださいよ」とお願いして、大手3社は「ちょっと高いんじゃないの。もっと安かったら買うのを検討してみるよ」といったきな臭い話が飛び交っているのではないだろうか。

 外野から見ていると「面白そうだなあ」と思われるかもしれないが、コンビニ同士の合併は非常にナイーブな側面がある。今回は、他の業界ではあまり見られないコンビニの合併話を紹介しよう。

●看板を替えられたオーナーたちの不満

 コンビニ本部にとって、合併することはどのようなメリットがあるのだろうか。手っ取り早く、一気に店舗数を増やせることが挙げられるが、これには不安要素も残る。看板が新しくなったオーナーに、自分たちの経営方針をうまく伝えられるのか。新しい業務をきちんと覚えてくれるのか。といった話ではない。問題は、微妙な人間関係だ。

 前回、このコラムでこのような話を紹介させていただいた。「コンビニのアルバイトは初心者に限る。その理由は『無垢だから、仕事の吸収が速い』」と。他のチェーンで働いたことがある経験者は「ここの仕事は忙しい。前のチェーンは楽だった」といった話をするので、初心者に悪影響を及ぼすのだ。

 "看板替えられたオーナー"は、当然純粋無垢ではない。バリバリの経験者だ。なので「以前は、ああだった、こうだった」「なんでこういうやり方をするの?」などなど、いろんな発言が飛び出してくる。

 そんな愚痴ともいえる話を聞かなければいけないのは、店舗を回る「スーパーバイザー」と呼ばれる人たち。"看板替えられたオーナー"の中には、批判ではなく、建設的な意見だと思って発言している人もいるだろう。しかしこれは、ときとして人間関係に溝を生むこともあるのだ。

 本部の窓口であるスーパーバイザーとの間にできた溝は、オーナーの仕事を必要以上に窮地に追い込む可能性がある。

0 件のコメント:

コメントを投稿

 

人気の投稿