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<概算要求>総額101兆7000億円 前年を6%上回る

2014年8月30日土曜日

 2015年度の予算編成に向けた各省庁の概算要求が29日、出そろった。要求総額は14年度予算(95兆8823億円)を6%上回る約101兆7000億円に達した。要求額が100兆円の大台を突破するのは初めて。高齢化の進展に伴い、医療・介護などの社会保障費が膨らんだほか、成長戦略や地方活性化策に絡んだ施策で各省庁が要求額を積み増したためだ。財務省は年末の予算案決定に向けて要求額を絞り込む査定作業を本格化させる。

 今回の要求では成長戦略など施策に重点配分する特別枠を設けており、各省庁からは特別枠の上限に近い3.9兆円程度の予算要望が集まった。これを含め、政策に充てる経費の要求総額は76兆円弱の見込みで、14年度予算の72.6兆円から3兆円以上増加した。一方、国の借金返済に充てる国債費は国債残高の増加を反映して14年度予算より2兆円以上多い25兆8238億円。政策経費と国債費を合わせた要求総額は100兆円を大幅に上回った。

 一般会計予算の約3割を占める社会保障費は、厚生労働省が14年度予算比で3%増となる過去最大の31兆6688億円を要求。高齢化に伴う社会保障費の自然増(8155億円)などで過去最大の要求額となった。国土交通省は整備新幹線の建設費など公共事業費を中心に同16%増の6兆6870億円を要求した。

 自治体に配る地方交付税交付金は総務省が同0.3%減の16兆972億円を要求。景気回復による地方税収の増加が見込まれるため減額要求となった。防衛省の要求額は弾道ミサイル防衛(BMD)を担うイージス艦の増強などで同3.5%増の5兆545億円に達し、過去最大となった。

 今回の概算要求では、来年10月からの消費税率10%への引き上げが確定していないことから、歳出の上限を設けていない。安倍晋三首相は年末までに増税の可否を最終判断するが、消費増税による増収分は社会保障関連策の充実に充てることになっており、仮に増税が決まれば社会保障関連の歳出がさらに拡大することになる。【三沢耕平

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