アジアから観光客が急増する中、人気映画「ハリー・ポッター」エリアを新設したユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ・大阪市)が、カジノなど新たな娯楽市場進出に意欲的だ。大阪の活性化を目指しIR(統合型リゾート)誘致を進める大阪府、大阪市との関係が注目されている。
総合エンタメ事業へ夏休みに入り関西を訪れる観光客が増えている。中国、韓国とわが国の緊張関係はまだ続いているが、観光客数は回復傾向にある。
関西国際空港の昨年の外国人入国者数は前年比29・6%増の232万人と大きく伸び、今後もビザの規制緩和やLCC(格安航空機)の路線拡充などで右肩上がりが予想される。訪日客の内訳は韓国からが26・5%でトップ、次いで台湾21・8%、中国15・2%、香港8・5%。また、昨年大阪府を訪れた外国人観光客は前年比29・5%増の262万人と、過去最高を記録した。
そうした中、USJが約450億円の巨額を投資し、今年7月15日にオープンさせたばかりの「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のエリアは、初日には200人の徹夜組が出るほどの賑わいをみせた。
事前のPRでも大物が登場し話題をまいた。4月には、安倍晋三首相とキャロライン・ケネディ駐日アメリカ大使がUSJを訪れ、ハリー・ポッターエリアのオープンを発表した。今後もUSJでは、大型のアトラクションやエリアを導入する方針だという。
ハリポタの人気は凄まじい。旅行会社のカタログには大阪観光の人気スポットとして登場し、特典付きの宿泊プランが売り出されて主要ホテルでは客室予約が急増。旅行会社の宿泊予定は大阪府で前年同期の3割増から2倍になるほど活況を呈している。USJの周囲には4つのオフィシャルホテルと5つの提携ホテルがあるが、これだけでは到底足りない状況で、新たなホテル建設も予定されている。
USJは2001年3月、大阪市などが出資する第3セクターとして開業した。敷地面積は約54ヘクタール、初年度の入場者は1102万人を記録した。大阪湾岸に建設された海遊館やサントリーミュージアムなどと合わせて、今では大阪の新名所となっている。
リーマンショックの影響を受けて入場者が800万人を切ることもあったが、新エリアを次々に開設して業績は徐々に復調。昨年は入場者数1050万人まで回復した。今年度は「ハリポタ」人気を見込み「開業時の1102万人はぜひ超えたい」(USJ広報室)としている。…
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