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ストーリーで共感を生む外食イノベーション--米山 久氏(エー・ピーカンパニー社長)×夏野 剛氏(慶応義塾大学特別招聘教授)

2014年8月7日木曜日

 外食産業において生販直結のビジネスモデルを確立し、着実に成長を遂げているエー・ピーカンパニー。生産者、従業員、顧客すべての満足度を高める独自のスタイルはどのように確立され、今後どんな方向を目指すのか。夏野剛氏が米山久社長に迫る。

経営者の夢の実現なんて小さなこと

夏野 エー・ピーカンパニーさんの社内は、絶えず人が行き来していて活気がありますね。

米山 これだけ研修をやってる会社も珍しいんじゃないですかね。ウチはやたら研修好きなんです(笑)。

夏野 それは接客などを教えるためですか。

米山 と言うより、当社のミッションへの共感を生むためです。契約農家や漁師さんなど生産者の映像を見てもらったり、彼らの現状を知ってもらったりして、自分たちがやるべきことを繰り返し学んでもらうための勉強会ですね。

夏野 どれくらいの頻度で行っているんですか。

米山 店長クラスだと週に1回ぐらいですね。他の従業員も2週間に1回、アルバイトさんだと月に1回ぐらい行っています。それが理念の共有につながっていると思います。

夏野 そこまで徹底されている会社も珍しいと思います。

米山 多分、普通の外食企業だと研修するための材料がないと思うんです。僕らは1次産業にも2次産業にもかかわっていて、1つの料理ができるまでのお皿の上のストーリーをいくらでも持っているので。

夏野 それを店員さんが、お客さんに伝えられるということですね。

米山 要するに店員がお客さまに伝えたいと思えるストーリーを用意するということです。マニュアルどおりに話をさせるのではなく、生産者の思いや生産者の所得向上を意識して伝えてもらえれば、結果的に売り上げが増えて地域活性化につながります。ウチのスタッフは、心に響かないと売ってくれないんです。そういう時は、どうして薦めないんだととがめるのではなく、薦めたいと思わせるストーリーが足りないということに気付かされます。

夏野 どうやってそういう形に行き着いたんですか。

米山 会社がある程度の規模になった時、みんながちゃんと奮い立つ会社としての理念を持たないと先が怖いなと思ったんです。お客さまにいいものを出そうと思って川上の1次産業までさかのぼっていった結果、雇用不足など地域の問題に気付きました。われわれが規模を拡大することによって、売り上げや利益を伸ばす以外に、社会貢献できるという意識が芽生えていったんです。「経営者の夢の実現のために事業を拡大してくれ」と言ったところで誰も動いてくれませんから。

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