【サンパウロ朴鐘珠】債務返済問題で米ファンドとの協議が30日に決裂しデフォルト(債務不履行)に陥ったアルゼンチンでは、一夜明けた31日、国内で目立った騒動はなかった。2001年のデフォルト時は預金の取り付けや食料品の買いだめ騒ぎが起きた。しかし今回は国家財政が破綻したわけではなく、急激な物価高騰や自国通貨ペソの暴落はない見通しだ。国外の過熱報道に振り回された感もあり、世論は米国の投資ファンドと司法判断に怒りの矛先を向けている。
31日のアルゼンチン現地報道には、スペイン語で「ハゲタカファンド」を意味する言葉があふれた。普段は冷静なカピタニッチ官房長官も同日朝の定例会見では声を荒らげて「ハゲタカファンドが国を混乱に陥れた。米国の司法制度は信用に値しない。これが正義と言えるのか」とまくし立てた。この会見内容を伝える新聞も「カピタニッチ激怒。判事、調停人、米国に反撃」と扇動的な見出しで政府を援護した。
アルゼンチン国民は01年のデフォルトでは、通貨ペソの価値が下落し、紙くず状態になるどん底を味わった。今もインフレ率が年40%前後でペソの価値は低いままだ。
そのため、庶民は知恵を働かせて不況を乗り越えようとしている。貯金しても目減りするばかりなので、手元の現金は進んで消費に回し、余裕ができれば米ドルに換金している。政府が国内銀行でのドルの購入を規制しているため、換金率の悪い闇の両替商を使ったり、隣国まで足を延ばしたりして両替することもある。また、長期保存のきく食料を普段から買い置きするなど、この十数年で経済危機への耐性を徐々に鍛えてきた。
ブエノスアイレスに住む主婦(42)は31日、毎日新聞の現地助手の取材に対し、「これまでもひどい経済状況だったので(デフォルトは)深刻に受け止めていない」と落ち着いた様子。男性弁護士(43)は「経済危機には慣れているので驚かない。デモなど混乱が起きるとするなら、それはハゲタカに対する抗議であり、政府に対するものではない」と語り、米国への不信感をあらわにした。
31日のアルゼンチン現地報道には、スペイン語で「ハゲタカファンド」を意味する言葉があふれた。普段は冷静なカピタニッチ官房長官も同日朝の定例会見では声を荒らげて「ハゲタカファンドが国を混乱に陥れた。米国の司法制度は信用に値しない。これが正義と言えるのか」とまくし立てた。この会見内容を伝える新聞も「カピタニッチ激怒。判事、調停人、米国に反撃」と扇動的な見出しで政府を援護した。
アルゼンチン国民は01年のデフォルトでは、通貨ペソの価値が下落し、紙くず状態になるどん底を味わった。今もインフレ率が年40%前後でペソの価値は低いままだ。
そのため、庶民は知恵を働かせて不況を乗り越えようとしている。貯金しても目減りするばかりなので、手元の現金は進んで消費に回し、余裕ができれば米ドルに換金している。政府が国内銀行でのドルの購入を規制しているため、換金率の悪い闇の両替商を使ったり、隣国まで足を延ばしたりして両替することもある。また、長期保存のきく食料を普段から買い置きするなど、この十数年で経済危機への耐性を徐々に鍛えてきた。
ブエノスアイレスに住む主婦(42)は31日、毎日新聞の現地助手の取材に対し、「これまでもひどい経済状況だったので(デフォルトは)深刻に受け止めていない」と落ち着いた様子。男性弁護士(43)は「経済危機には慣れているので驚かない。デモなど混乱が起きるとするなら、それはハゲタカに対する抗議であり、政府に対するものではない」と語り、米国への不信感をあらわにした。
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