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三大都市の地価反転するも 喜べぬ“トリプル高”の足枷

2014年7月10日木曜日

 大都市での地価が大きく回復傾向にあることが明らかになり、不動産市況にようやく明るさが見え始めてきた。

 国税庁が7月1日に発表した2014年の路線価(1月1日時点)は、全国平均で前年比0.7%減少と6年連続で低下した。

 しかし、宮城、福島、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の8都府県で上昇に転じ、特に三大都市圏の東京、名古屋、大阪がそろって6年ぶりに上昇となった。

 地価上昇が顕著な場所の一つが東京・銀座だ。路線価日本一は今年も銀座の文具店「鳩居堂」前の銀座中央通りだが、その周辺の不動産も上昇基調にある。

 例えば今春、オンワードが銀座3丁目の東京駐車ビルを購入。「中央通りと晴海通りに面した銀座中心部以外では、1坪当たり価格が1億円を超えるとバブル」(業界関係者)といわれる中、オンワードの購入額は1坪当たり約1億2000万円とみられる。

 それでも、外国人観光客が増える中で銀座での出店需要は旺盛だ。

「銀座で1階に出店できる場所は昨年から今年にかけて激減した」(業界関係者)という状況であり、今後しばらくは銀座人気が続く可能性が高い。

建築コスト上昇が深刻化

 背景には、アベノミクスによる景況感の改善や、東京五輪需要がある。また日銀の金融緩和で国債の利回りが低下する中、生命保険会社などがオフィスビルや賃貸マンションなどの不動産投資を積極化していることも後押ししている。

 こうした中、オフィス賃料も上昇に転じ始めた。

 オフィスビル仲介の三鬼商事によれば、オフィスビルが多い東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスビルの平均賃料は、今年5月末時点で5年5カ月ぶりに前年同期比でプラスに転じた。

 東日本大震災以降、賃料が高くても耐震性能や防災設備に優れる最新のビルへの移転ニーズも高まっている。

 実際、今年6月11日に開業した虎ノ門ヒルズのオフィスは「開業前から満室となった」(森ビル)と好調だ。

 不動産サービス大手のシービーアールイーの高橋宏和フレッド・エグゼクティブディレクターによれば、「今年の新規供給については8割以上のスペースがテナントを確保している。空室率の低下とともに、賃料上昇はさらに加速するだろう」という。

 しかし、不動産業界がこうした市況回復の追い風を十分に受けているかといえば否である。

「復興需要の影響で建築コストが5~6割上昇しており、再開発がストップしている案件が幾つも出てきている」(大手不動産幹部)

 地価高騰に加えて、資材価格、人件費のトリプル高で建設コストは上昇の一途だ。

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