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武田の総会で創業家が迫った 結果を出せなければ「総退陣」

2014年7月9日水曜日

「今日の長谷川社長の話に心配事はまったくありません。順風満帆、素晴らしい将来が期待できると私は思っています。もし、それが実行できなかったら、総退陣はあるのですか」。国内製薬最大手である武田薬品工業が6月27日に開催した定時株主総会で、「武田」と名乗る男性はそう問いただした。

 総会には昨年を1000人以上上回る4000人超が出席した。「いろいろ騒がれ、何事かと思い初めて出席した」と30年来の個人株主。出席者たちが特に気にしたのは、創業家の一部とOBが総会に向け事前質問状を送り付けたことだ。

 創業家十数人とOBら計112人の株主が名を連ねた事前質問状は、2兆円以上を投じた海外企業のM&Aの失敗に対する経営責任などを追及し、同社初の外国人社長となるクリストフ・ウェバー氏の就任に反対するものだった。

 長谷川閑史社長は総会当日、約40分をかけて「M&Aは失敗でなく成功」「ウェバーはグローバル企業である現在のタケダをリードする人材として最もふさわしい」といった回答文を読み上げた。回答の全文は同社のホームページに公開されている。

 会場からの質問にも経営陣はよどみなく、武田薬品の将来に対する不安を払拭するよう答弁した。頃合いを見て長谷川社長が質問を打ち切ろうとしたとき、最後に1人、質問を許された。それが冒頭の武田氏である。

 ほとんどの株主は気付かなかったが、彼は武田薬品に勤務経験のある創業家一族の1人だった。

「責任を取るのは当然のこと」

 武田氏の質問に対し長谷川社長は、「今、武田……、いや株主さんがおっしゃいましたように、私は常々申しております。経営者はコンプライアンスをきちんと守って結果を出すのが全てであると」と応じた。「そのコンプライアンスの部分で足元から崩れたことについては、痛恨の極みであります。二度とこのようなことが起こらないようにする所存ですが、一方で業績がきちんと期待通りに上げられないようであれば、そこで責任を取ることは当然のことであります。ウェバーも当然そのような気持ちで社長の就任を引き受ける気持ちになっていると思います」。

 その言葉を受け、武田氏は会場では矛を収めた。

 長谷川社長の言うコンプライアンス問題とは、自社医薬品に関する臨床試験で同社の不適切な関与が発覚した件である。国も調査に乗り出しており、元社員が逮捕されたノバルティス ファーマのようにさらに大問題へ発展する可能性がある。

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