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ソニー、平井社長の急速な“老化”に透ける再建への苦悩~相次ぐ人員削減の次に直面する課題

2014年3月12日水曜日

 ソニーの顔に大きな変化を見た。

 こう書くと、「えっ、ついにテレビ事業を売却する件か」と思う読者も少なくないだろう。答えは違う。平井一夫社長兼CEO(53歳)の頭が急に白くなってきたのだ。おまけに、文字を読むとき、記者会見のような公の場でも老眼鏡と思われる眼鏡を着用するようになった。白髪や老眼の一因は心労やストレスであるとされている。苦労すると白髪になる、とよくいわれるが、これには根拠がある。髪の黒さを保つメラニン色素をつくっているメラサイト(色素細胞)は人間の神経細胞から分化したものなので、精神的な影響を受けやすい。まさに、平井社長はこの条件に当てはまるのではないだろうか。

 もちろん、年格好からして老化が始まったという見方もあるが、50代前半なら染めなくてもまだ黒々とした頭髪の人はごまんといる。そのような人たちが白髪になり始めたとしても、徐々に白いものが増えていくことが多い。急に痩せ始めた人と会うと「身体の具合でも悪いのでは」と思うのと同様、短期間に白髪化した人を見ると、「苦労しているのだろうな」と詮索してしまうのが人の常である。

 社長に就任した2012年(4月)頃の平井氏は、さっそうとしていた。180cm以上の高身長と端正な顔立ちだけではない。小中学生時代を米国で過ごした帰国子女で、ハワード・ストリンガー前CEOに「私のジョークを完璧にわかるのは経営陣で平井しかいない」と言わせたほど、英語で披露するプレゼンテーションは日本人離れしている。

 社長候補に挙がったとき、エンターテインメント畑出身でエレクトロニクス事業を経験したことがないため、同事業の再建が最大課題となっているソニーの社長には不適格という声もささやかれたが、若々しさではライバルの誰にも負けていなかった。それだけに、急激な「老化」は、平井氏が大きなストレスを抱えていると推察せざるを得ない。経営の重圧に加えて、家族をアメリカに置いての単身赴任という条件もストレスを増幅させているのだろうか。

 かつて、パナソニックの中村邦夫社長も構造改革真っただ中の頃、本当に首が回らなくなった。記者会見やインタビューでも、首をかしげたままで対応していた。

 2人の共通点は、日本を代表する電機メーカーのトップであるというだけでなく、性格がきわめて生真面目なのである。だが、経営者はさまざまな苦労に耐え、立ち向かおうとするアニマル・スピリットがなくして務まらない。

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