そこに、癒し手としてロボットが持つ可能性の原点がある。
全国60以上の施設で導入コミュニケーションロボット「PALRO」(パルロ)は、ちょうどそのお茶運び人形ほどの大きさのヒューマノイド型ロボット。お茶を運ぶ機能はないが、100人以上の顔を見分けて名前で呼びかけることができ、クイズを出したり、自ら踊りながら「歌いましょう」と呼びかけたりすることができる。さらに、インターネットからニュースや天気予報を読み込んで、声で伝える機能もある。
2010年3月に「教育機関・研究機関向けモデル」を先行発売。その後、システムのアップグレードを続け、2012年6月には介護予防支援アプリを搭載した「高齢者福祉施設向けモデル」を発売、すでに全国約60ヵ所以上の老人ホームやデイサービス施設で利用されている。
施設でのPALROの役割は、レクリエーションの司会進行役と、入居者の孤独や不安を癒すための話し相手役の二通りだ。ある程度の言葉のやり取りや、しりとりなどもできるため、まるで言葉をおぼえたての幼児がそこにいるような気分にさせてくれる。
ある有料老人ホームでは、「お家に帰りたい」と訴えていた入居女性が、やってきたばかりのPALROを目にするなり「まあ、可愛いわね」と声を弾ませ、すっかり夢中になってしまい、それからは帰宅願望を口にすることもなくなったという。
介護者の負担低減とプラスアルファの効用
ロボットの前ではなぜだか素直になれる。他人にはどうしても身構えてしまうのに、まるでペットの相手をするときのように自然体で、素の自分が出せる。そんな効用がすでに広く認識され、「ロボットセラピー」という言葉で呼ばれている。
一方、「PARO」(パロ)という、アザラシ型をしたロボットも発売されている。充電コードにつなげば赤ちゃんがミルクを飲むような動きをするなど、愛くるしい動作や反応が評判で、2002年には「最もセラピー効果があるロボット」としてギネス認定された。
ペットは生き物だから餌やりや散歩が欠かせないし、衛生上の問題も付きまとう。その点ロボットなら、安全で手間がかからず、安価に癒しが提供できる。その三拍子が揃ったことで、アザラシ型のPAROは人気を集めた。…
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