＜エネルギー基本計画＞原発の位置づけで表現を修正へ

　国の中長期的なエネルギー政策の方向性を決める「エネルギー基本計画」での原発の位置づけについて、茂木敏充経済産業相は２４日の記者会見で「与党などの意見も踏まえ、適切な表現を検討したい」と述べ、素案での「基盤となる重要なベース電源」との表現を修正する考えを明らかにした。

　茂木氏は「１％だろうがずっと使うのが『ベース電源』」と述べ、時間帯に関係なく常時発電することを意味する「ベース電源」という言葉は変更しない考えを表明。そのうえで「量的に多いとか優先順位が高いなどと（誤解して）とらえられるなら、全体の脈絡は変更を考えたい」と述べた。「重要な」の文言を削ることなどを検討するとみられる。将来の原発比率について「必要とされる規模を見極め、その規模を確保する」としていた表現も「確保を検討する」などに変更する可能性がある。

　経産省の審議会は昨年１２月、民主党政権下での脱原発を転換するエネルギー基本計画の素案を作ったが、与党内から「原発回帰と受け止められかねない」と懸念の声が上がっていた。政府は「脱原発」が争点の一つになっている東京都知事選の結果も踏まえ、最終判断する。【大久保渉】