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[注目トピックス 経済総合]スズキのインド戦略にきしみ、不満募る子会社株主の声とは?

2014年1月31日金曜日

*09:59JST スズキのインド戦略にきしみ、不満募る子会社株主の声とは?
スズキ<7269>のインド戦略にきしみが生じています。同社は西部グジャラート州に建設中の第3工場の運営について、完全子会社を設立して単独運営に乗り出す方針を明確にしました。これに対して、インド子会社であるマルチ・スズキの取締役会も承認を与えています。

ただ、マルチ・スズキの株主からは「株主の利益を損ねる決定だ」との批判が噴出。同社の株価は28日に一時9.41%暴落するなど、優良株(ブルーチップ)の地位転落さえささやかれました。

スズキはマネサールとグルガオンにある既存工場についてはマルチ・スズキを通じた管理・運営を行ってきました。ただ、グジャラート工場だけは親会社が独自運営をする格好になり、マルチ・スズキの株主が生産・管理の透明性が損なわれるとの不信感を強めています。

マルチ・スズキの幹部は今回の件について、「同社が工場運営にキャッシュを使う必要がなくなる」などのメリットを列挙。インドでは金利が上昇傾向にあり、マルチ・スズキが手持ち現金をより利回りのよい資産で運用することが会社や株主の利益に資すると説明しています。

成長市場であるインドには数多くの外資系企業が直接参入を果たしていますが、最近は外国の親会社によるインド子会社の"搾取"が話題になっています。スズキはマルチ・スズキに課しているロイヤルティを2010年から売上高の3%から5%に引き上げました。最近は英蘭ユニリーバやスイスのネスレなども同様の動きを取っています。

ロイヤルティの引き上げは配当と違って親会社だけの利益となるため、ここにも株主の不満が集中。スズキがインド戦略を強化したいのなら、なぜ出資比率を引き上げないのかという疑問も生じています。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)



《RS》

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