米国が20世紀に飛躍的な経済発展を遂げることができたのも、国内で産出する石油を使う自動車産業を発展させたことでさまざまな経済波及効果を生んだからである。だからこそ「GMは国家なり」という言葉も生まれた。しかし、米国の自動車メーカーはイノベーションを生み出すための経営努力を怠ったため、GMは倒産し、他メーカーも商品力で日本やドイツにかなわなくなった。幸いなことに日本の自動車メーカーは自助努力を重ねて、国際競争力を有し、国内での雇用創出に貢献する数少ない産業となっている。国益に貢献している産業である。
しかし、その日本の自動車産業がいま、中国でピンチに立たされている。尖閣国有化問題後、中国では反日デモで日本車が破壊されたことなどで販売が激減した。自助努力でサービス向上や新車投入を行って昨年半ばから回復し、2013年は日産自動車、トヨタ自動車、本田技研工業(ホンダ)の日本の大手3社は過去最高の販売台数を記録したが、大きな課題を内包しているのだ。
その課題とは中小企業の海外展開だ。日本車の高品質さを陰で支えている中小下請け部品メーカーも中国への積極的な進出を計画していたのに、「政治リスク」を理由に投資が滞ってしまっている。いくらトヨタや日産の技術力が高くても、下請けが現地で一緒にモノを造ってくれない限り、日本車の高品質さは担保できない構図になっている。ここでいう下請けとはデンソーやアイシン精機などの大手部品メーカーではなく、イメージとして従業員100人程度の中小零細企業のことである。こうした中小零細企業も、海外展開しなければ国内での仕事だけでは飯が食えない時代が来ている。
特に中国の自動車市場の成長は著しい。13年は前年比13.9%増加の2198万台を売った。近く3000万台は超えるだろう。09年に米国を追い越して以来、世界1位の座をキープしている。市場構造は、貧富の差が拡大している経済構造を反映して高級車とエントリーカーが売れる傾向にある。…
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