CEPSAは北アフリカや南米で、コスモは中東で油田開発・生産を行っており、今後は共同で新鉱区獲得を目指す。コスモは、CEPSAの技術を共有することで、これまで手がけてこなかったガス事業に参入するのが狙いだ。
コスモが、これまであまり積極的でなかった提携を急ぐのには理由がある。
コスモの筆頭株主で20.7%を出資するアブダビ政府系投資ファンド(IPIC)によるプレッシャーだ。コスモは東日本大震災で千葉製油所が被災し、その影響で業績が悪化、財務も激しく傷んでいる。IPICはコスモに出資した6年前から株価が6割も下落、500億円近い損失が出るなど、いら立ちを強めているのだ。
実はCEPSAはIPICの100%子会社であり、今回の提携は再建の援護射撃だったとも取れる。石油開発事業は営業利益の8~9割を稼ぎ出す虎の子だけに、てこ入れによる効果も期待できる。
精製事業の再建が鍵もっとも、この提携に即効性があるかというと大きな疑問符がつく。開発事業はリスクを伴うだけでなく、長い歳月が必要だからだ。
むしろコスモ再建で注目されるのは、本丸ともいえる精製事業をどうするかである。ガソリン・軽油・灯油の国内需要は年率3%近く減少していく中で、石油業界では設備過剰が構造問題として横たわっている。生産能力の削減を促すエネルギー高度化法への対応期限が3月末に迫り、元売り各社が条件をクリアする中、コスモはいまだ対応を終えていない。
残された時間が少なくなる中で、再びくすぶり始めたのが、東燃との"縁談復活"だ。
12年6月に米エクソンモービルが東燃から資金を引き揚げる際に、コスモが東燃を買収しようと動いたことがある。
合併話はついえたが、13年7月に再稼働を果たした千葉製油所では、東燃傘下の極東石油千葉製油所と、共同運営することで検討に入っている。東燃とはこれを機に、全国で精製事業を統合するのではないかとみられているのだ。東京湾の対岸には東燃の川崎製油所があり、両社はそれぞれ堺市に製油所を持つこともこうした見方を補強する。
コスモの森川桂造社長は持ち株会社設立にも言及しており、その下に開発、精製、販売など各事業会社をぶら下げ、精製については東燃と統合・再編することで、生き残りのシナリオを描いているのではないかとの観測が流れる。…
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