米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の新たな最高経営責任者(CEO)にメアリー・バーラ氏(52)が就任し、世界の自動車メーカーで初の女性経営者として新体制をスタートさせた。技術者出身の車好き、バーラ氏は世界を代表する自動車メーカーをどう変えていくのか。手腕が注目されている。【デトロイト(米ミシガン州)で平地修】
デトロイトで開幕した北米国際自動車ショーで、GMは北米カー・オブ・ザ・イヤーと、同トラック部門の2冠を独占。GM幹部の歓喜の輪の中に、15日のCEO就任を目前にしたバーラ氏の姿があった。
黒のスーツに身を包み、印象的な笑顔からは親しみやすさが感じられる。メディアはコメントを取ろうと殺到。「自動車ショーでの花形は新型の車だが、バーラ氏は(車と)互角の勝負をしている」と米紙ウォールストリート・ジャーナルは報じた。歩きながら「受賞は素晴らしいこと」などと答えていたバーラ氏の周辺でカメラマンらが転倒するなど大騒ぎになった。
「新しいCEOは女性、『カーギャル』です。素晴らしいことだ」。前CEOのアカーソン氏は昨年12月、バーラ氏を自らの後任に指名した際にこう紹介した。米国は日本に比べ女性の社会進出が進み、ペプシコやIBM、ヤフーなど有力企業のトップに女性が就任している。それでもなお自動車業界は「男社会」のイメージが強く、女性トップの誕生は「(女性の進出を阻む)ガラスの天井が破られた」歴史的な出来事と受け止められている。
バーラ氏が注目を浴びる理由は、女性というだけでなく、その経歴にある。父親はミシガン州にあるGMの旧ポンティアック工場の機械職人として39年間勤務。バーラ氏も18歳からGM研究所(現ケタリング大)で電気工学を学ぶとともに、父親と同じ工場でインターンとして働いた。
GM入社後は、スタンフォード大でMBA(経営学修士)を取得。主に製造・開発部門を歩み、工場長や製造部門の副社長などを歴任する一方、人事部門も経験するなど、2人の子供を育てながら着実に経歴を積み上げた。好待遇を求めて転職を重ねるエグゼクティブとは対照的な「GM一筋」の生き方だ。
2011年に開発部門のトップに抜てきされ、開発過程の改革や、09年の破綻からのGM復活を支える新車開発に関わり「混沌(こんとん)(カオス)に秩序をもたらす能力がある」(アカーソン氏)との高い評価を得た。
リーマン・ショック後、一時は公的資金投入を受け「ガバメント・モーターズ(GM)」と皮肉られた同社。…
デトロイトで開幕した北米国際自動車ショーで、GMは北米カー・オブ・ザ・イヤーと、同トラック部門の2冠を独占。GM幹部の歓喜の輪の中に、15日のCEO就任を目前にしたバーラ氏の姿があった。
黒のスーツに身を包み、印象的な笑顔からは親しみやすさが感じられる。メディアはコメントを取ろうと殺到。「自動車ショーでの花形は新型の車だが、バーラ氏は(車と)互角の勝負をしている」と米紙ウォールストリート・ジャーナルは報じた。歩きながら「受賞は素晴らしいこと」などと答えていたバーラ氏の周辺でカメラマンらが転倒するなど大騒ぎになった。
「新しいCEOは女性、『カーギャル』です。素晴らしいことだ」。前CEOのアカーソン氏は昨年12月、バーラ氏を自らの後任に指名した際にこう紹介した。米国は日本に比べ女性の社会進出が進み、ペプシコやIBM、ヤフーなど有力企業のトップに女性が就任している。それでもなお自動車業界は「男社会」のイメージが強く、女性トップの誕生は「(女性の進出を阻む)ガラスの天井が破られた」歴史的な出来事と受け止められている。
バーラ氏が注目を浴びる理由は、女性というだけでなく、その経歴にある。父親はミシガン州にあるGMの旧ポンティアック工場の機械職人として39年間勤務。バーラ氏も18歳からGM研究所(現ケタリング大)で電気工学を学ぶとともに、父親と同じ工場でインターンとして働いた。
GM入社後は、スタンフォード大でMBA(経営学修士)を取得。主に製造・開発部門を歩み、工場長や製造部門の副社長などを歴任する一方、人事部門も経験するなど、2人の子供を育てながら着実に経歴を積み上げた。好待遇を求めて転職を重ねるエグゼクティブとは対照的な「GM一筋」の生き方だ。
2011年に開発部門のトップに抜てきされ、開発過程の改革や、09年の破綻からのGM復活を支える新車開発に関わり「混沌(こんとん)(カオス)に秩序をもたらす能力がある」(アカーソン氏)との高い評価を得た。
リーマン・ショック後、一時は公的資金投入を受け「ガバメント・モーターズ(GM)」と皮肉られた同社。…
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